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「クラウド・バイ・デフォルト」をどう日本に根付かせるか、日本マイクロソフトが取り組みを説明2年で4万人の人材育成

日本マイクロソフトは2018年10月4日、日本国内における政府・行政機関に向けた同社のクラウドサービス利用促進への取り組みについて説明した。

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 日本マイクロソフトは2018年10月4日、日本国内における政府・行政機関に向けた同社のクラウドサービス利用促進への取り組みについて説明した。

 日本政府は2018年6月、「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」で、政府情報システムの整備に関してクラウドサービスを第一義的に検討すべきとした「クラウド・バイ・デフォルト原則」を発表した。

 この文書が、クラウドサービスの利用を力強い表現で呼びかけているのは大きな変化。だが、パブリッククラウドの採用が実際にどこまで進むかがはっきりするまでには、「システム更改2サイクル、10年程度かかる」と、日本マイクロソフトパブリックセクター事業本部長の佐藤史成氏は話す。同社にとっても長期的な取り組みになるものの、東京オリンピックが開催される2020年までの2年間が勝負といい、全力で取り組むとしている。

 「クラウドに対するセキュリティ上の懸念を、まず払拭(ふっしょく)しなければならない」と。佐藤氏は言う。

 更改をきっかけとした既存システムのパブリッククラウドへの移行もさることながら、クラウドサービスならではの新たな機能/アプリケーションを促進することも重要な活動になる。日本マイクロソフト パブリックセクター事業本部 副事業本部長の光延裕司氏によると、新たなアプリケーションについては、次のような活動を促進していきたいという。

  • ペーパーレス化、働き方改革に絡めたコミュニケーションプラットフォームの導入
  • オープンデータ、API提供などのGovTech
  • 機械学習/AI、およびIoTの活用

日本マイクロソフトが進める5つの施策

 上記を踏まえた日本マイクロソフトの具体的な施策は、次の5点。

  • 公共機関およびパートナー企業向け人材育成プログラム

 公共機関の意思決定権者や直接の担当者を中心に、パブリッククラウド活用やAI/Ioに関するトレーニングを実施する。2020年までに4万名を目標とするという。

  • 公共機関向け災害対策支援

 日本マイクロソフトが西日本豪雨などで実施した災害支援のノウハウを生かし、災害対策支援協定の締結を各都道府県に呼びかけていく。これに基づき、防災体制の構築や防災訓練におけるクラウド活用を支援する。

  • クラウド早期導入支援

 効率的なサービスデザインに関して、日本政府の公表したシステム50くらいを対象に、デザインシンキングの支援を無償提供する。

  • 日本マイクロソフト社内体制の強化

 社内で約200名の公共機関向けエキスパートを育成する。

  • パートナーソリューション

 働き方/住民支援/手続きオンラインサービスなど公共機関向けの分野で200のパートナーソリューションを開発。地元密着型のシステムインテグレーターと開発した地方自治体向けソリューションを、他の自治体に横展開することも考えている。

 なお、マイクロソフトのこうした取り組みには、アクセンチュア、NTT東日本、NTT西日本、日本電気、富士通が賛同しているという。

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