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DockerとArmが戦略提携――クラウド、エッジ、IoT向けのArmアプリをシームレスに開発可能デバイスからクラウドまで、組み込みとクラウドの世界を融合

DockerとArmは、クラウド開発者がArmアーキテクチャでシームレスにクラウド、エッジ、IoT環境向けのアプリケーションを開発できるよう、戦略提携を結んだ。

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 DockerとArmは2019年4月24日(米国時間)、クラウド開発者がArmアーキテクチャでシームレスにクラウド、エッジ、IoT環境向けのアプリケーションを開発できるよう、戦略提携を結んだと発表した。

 両社は、クラウドやエッジ、IoTデバイスに対応した、クラウドネイティブで統合型のスムーズなソフトウェア開発と提供モデルの実現に共同で取り組む。両社の協業により、企業はアプリケーションをより迅速かつ安全に開発できるようになる。いずれは、デジタルトランスフォーメーションのメリットを強化する新しいサービスやアプリケーションの構築が可能になると、両社は述べている。

 DockerとArmは、「増加の一途をたどるIoTデバイスやインテリジェントコネクテッドデバイスから生成されるデータが、ネットワークに重い負荷をかけている。このため、処理の集中化は効率が悪く、コストが高くつく」との共通認識を示した。

 この問題に対応するために、クラウド、エッジ、IoTのための共通ソフトウェアパイプラインを提供し、開発者がアプリケーションにおけるインフラへの依存を解消するとともに、アプリケーションの提供や実運用のフレームワークを手に入れられるようにすることが目的だ。

 両社の協業に伴い、Docker開発者がシームレスにArm開発者となり、「AWS EC2 A1」インスタンスのような新サービスをすぐに利用できるようになるという。AWS EC2 A1は、64bit「Arm Neoverse」コアを採用した「AWS Graviton Processor」をベースにしている。

DockerとArmの開発者をどのように融合するのか

 さらに両社は、DockerベースのソリューションをArm Neoverseプラットフォームの拡張として、Arm開発者エコシステムに提供する。

 この統合により、数百万人のArm開発者がDockerベースのソリューションを利用して、アプリケーションをより迅速かつ簡単に開発し、クラウドからエッジ、デバイスに至るまでの幅広いアプリケーションにわたってデプロイできるようになるという。

 今回の発表を機に、開発から実運用までのソフトウェアライフサイクル全体をカバーしたDockerとArmの協業がスタートし、その成果がDockerの企業向け製品で提供される予定だ。

 提携初期の段階では、両社はシームレスな開発環境の提供に重点を置き、手始めにArmの機能をDockerデスクトップコミュニティーに提供する。

 これに続いて、DockerとArmは次の3点に取り組む。

  • 開発から安全なデバイス管理まで、製品ライフサイクル全体の包括的な管理
  • 異種混在コンピュート向けの統合された開発環境の提供
  • クラウドネイティブ技術のメリットを拡大し、エッジワークロードを集約

 さらに両社は、Amazon EC2 A1インスタンス向けの「Docker Enterprise Engine」も提供する。

 これを使うことで、Armベースのスケールアウト型コンテナアプリケーションを実行するコストを最大45%節約でき、Dockerの商用サポートを受けられる。多くの場合、クラウドネイティブなLinuxアプリケーションを変更せずに実行できる。ただし、一部の場合は簡単な再コンパイルにより、Arm実行ファイルを生成する必要がある。

 これらの新技術は、2019年4月29日〜5月2日に開催される「DockerCon 2019」カンファレンスのArmブースで、またはこの期間から提供開始される技術プレビュープログラムに申し込むことで、プレビューできる。

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