Azure Migrateが移行プロジェクトの中央ハブとして大幅刷新、「日本」地域にも対応:Microsoft Azure最新機能フォローアップ(88)
オンプレミスのVMware仮想マシンの移行を支援するサービスとしてスタートした「Azure Migrate」が、2019年7月に新バージョンに刷新。Hyper-V仮想マシン、SQL Serverデータベース、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)のソリューションを含む、Azureへの移行プロジェクトの“中央ハブ”として生まれ変わりました。
以前のバージョンと新バージョンのAzure Migrate
「Azure Migrate」は、2018年3月から一般提供されているサービスです。当初は、オンプレミスの「VMware ESXi(5.5以降)」上のVMware仮想マシンを対象に、Azure仮想マシンへの移行の可能性や、その費用をレポートする評価ツールでした。
評価対象としては、Windows仮想マシン(Windows Server 2008以降、Windows Server 2008のサポートは2018年8月に追加)とLinux仮想マシンがサポートされますが、Azure Migrate自身には移行を実施する機能は含まれていません。移行ツールとしては「Azure Site Recovery(ASR)」の「オンプレミス−Azure間レプリケーション」を利用する形でした。
2019年7月、Azure Migrateは新バージョン(v2)に更新され、VMware仮想マシンに加えて、Hyper-V仮想マシンがサポートされました。その他にも複数の移行ツールによる検出と評価の開始、移行の実施、進行状況の追跡を行うことができる“中央ハブ”として刷新されています。
- 移行プロセスを開始、実行、追跡するための中央のハブとなったAzure Migrate(Microsoft Azure)
- Introducing the new Azure Migrate:A hub for your migration needs[英語](Microsoft Azure)
新バージョンのAzure Migrateでは、オンプレミスの仮想マシン、データベース、データ、Webアプリの移行を支援する、以下の機能が統合されています(画面1)。
- サーバ:Server AssessmentまたはISVツールによるVMware/Hyper-V仮想マシンの検出、Server MigrationまたはISVツールによる仮想マシンおよび物理サーバのAzureへの移行
- データベース:Database Assessmentによるデータベースの評価、Database MigrationによるAzureへの移行
- Databox:Azure DataBox製品による大容量データのオフライン転送
- Webアプリ:App Service Migration(https://appmigration.microsoft.com/)による.NETおよびPHP Webアプリの評価と移行
上記のサーバの検出と評価を行うServer Assessmentが、新バージョンでHyper-Vに対応しました。サポートされるのは、Windows Server 2012 R2とWindows Server 2016のHyper-Vホスト(Windows Server 2019は非サポート)上のWindowsおよびLinux仮想マシンです。
VMware仮想マシンの検出と評価には「Azure Migrateアプライアンス」(OVA形式、ダウンロードサイズ12GB)のVMware仮想マシンイメージをダウンロードして「VMware vCenter」にインポートします。そして、このアプライアンスが提供するWebベースの評価ツールを実行すると、検出したデータがAzure Migrateサービスに転送されます。
Hyper-V仮想マシンの検出と評価も同様で、仮想マシン構成バージョン5.0(Windows Server 2012 R2 Hyper-Vの既定)のAzure Migrateアプライアンス(VHD形式<.zip圧縮>、ダウンロードサイズ12GB)をダウンロードしてHyper-V仮想マシンとして実行し、アプライアンスが提供するWebベースの評価ツールを使用する形になります(画面2)。
Server Migrationは、ASRをバックエンドとして利用する新しい移行ツールであり、Azure MigrateのUI(ユーザーインタフェース)に統合されています。
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