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どうするSQL Server 2008のサポート期限? そうだ、クラウドへいこう!Microsoft Azure最新機能フォローアップ(50)

2019年7月9日のSQL Server 2008/2008 R2の製品サポートの終了まで、残すところあと1年と少し。2018年5月、オンプレミスまたはクラウドの最新SQL Server環境への移行を支援するツールの最新版と大規模データベース移行に適した移行サービスの正式版が利用可能になりました。

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SQL Server DBの大規模な引っ越しに対応する「Azure Database Migration Service」

 「Azure Database Migration Service(Azure DMS)」は、2018年5月18日に正式に利用可能になった、Microsoft Azureの新しいサービスです。

 Azure DMSは、複数のデータソースから成る大規模なデータベースを、最小限のダウンタイムでクラウドに移行することを支援するサービスです。現状、後述する「Microsoft Data Migration Assistant(DMA)」がサポートするバージョンのオンプレミスのSQL Serverデータベースを、AzureのPaaS(Platform as a Service)データベースである「Azure SQL Database」または「Azure SQL Database Managed Instance(現在、プレビュー提供)」に移行することが可能です。今後、Oracleデータベースからの移行にも対応する予定です。

 具体的には、DMAを使用してSQL Serverのデータベース機能との互換性を評価し、必要な対策を施した上で、SQL ServerスキーマをAzure SQL Database(データベースまたはマネージドインスタンス)にデプロイします(画面1)。

画面1
画面1 移行ツールのDMAを使用して、データベースの機能の互換性を調査し、データベーススキーマだけをAzure SQL Databaseにデプロイする

 その後、Azure DMSのサービスを使用して移行プロジェクトを作成し、実施することで、オンプレミスのSQL ServerデータベースからAzure SQL Databaseにデータの移行を行います(画面2〜4)。

画面2
画面2 Azure DMSサービスを作成し、オンプレミスとAzure SQL Databaseへの接続とデータベースマッピングを構成した移行プロジェクトを作成する
画面3
画面3 移行プロジェクトを実行し、オンプレミスからクラウドのAzure SQL Databaseにデータを移行する
画面4
画面4 移行後に「SQL Server Management Studio」で、データを移行したAzure SQL Databaseに接続したところ

 なお、Azure DMSのサービスはAzure仮想ネットワークに作成されるため、作成先のAzure仮想ネットワークからオンプレミスのSQL Serverデータベースのインスタンスに接続できるように、VPNまたは「ExpressRoute」接続を構成する必要があります。

 Azure DMSによるデータベース移行の具体的な手順については、日本マイクロソフトの公式ブログの記事でも説明されています。

小規模ならData Migration Assistantツールだけでも移行可能

 「Microsoft Data Migration Assistant(DMA)」は、以前提供されていた「SQL Server Upgrade Advisor」の後継ツールです。最新バージョンのDMA v3.5が、2018年5月23日にリリースされました。

 DMAを使用すると、SQL Server 2005〜2017を実行する移行元のデータベースを、オンプレミスまたはクラウドのSQL Server 2012〜2017、またはAzure SQL Databaseに移行することができます。実は、小規模なデータベースやある程度のダウンタイムが許容される環境では、この移行ツール単体でSQL ServerからAzure SQL Databaseへのスキーマとデータの移行までを実施することが可能です(画面5)。

画面5
画面5 小規模なデータベースなら、DMAの移行ツール単体で、Azure SQL Databaseに移行することも可能

SQL Server 2008/2008 R2データベースの移行計画はお早めに

 SQL Server 2008および2008 R2の製品サポートは「2019年7月9日」に終了し、それ以降、新たなセキュリティ更新プログラムや修正プログラムは提供されなくなります。データベースの移行は、そのデータベースに依存するアプリケーションとともに考える必要があるため、早めに移行計画を立て、実施することをお勧めします。そのためのツールとサービスは出そろいました。

 移行ツールのDMAを使用すると、移行元と移行先におけるSQL Serverのバージョンの差異による互換性問題を事前に検証した上で、簡単な操作でデータベースを後継バージョンに移行することができます。同じツールだけで、あるいはAzure DMSとの組み合わせで、Azure SQL Databaseというクラウドへの移行も簡単になりました。

 現在プレビュー提供中のAzure SQL Database Managed Instanceは、製品版のSQL Serverと100%に近い互換性を提供しながら、事前に組まれた高可用性構成と、OSおよびソフトウェアのパッチ管理を不要とする、フルマネージドインスタンス型のPaaSです。もちろん、PaaSではなく、オンプレミスやIaaS(Infrastructure as a Service)のSQL Serverに移行することもできます。SQL Server 2017なら、Windowsだけでなく、Linuxをプラットフォームとして選択することも可能です(SQL Server on Linux)。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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