連載
Windows Updateで大渋滞のフレッツ網、自衛策は?:羽ばたけ!ネットワークエンジニア(20)(2/2 ページ)
2019年8月29日午前、Windows Updateに起因するフレッツ網の輻輳で、企業ネットワークは端末のタイムアウトなど大きな被害に遭った。このような場合、輻輳が収まるのを待ち続ける以外に対策はないのだろうか。
IPoEの拠点は輻輳の影響がほとんどない
一方、IPv6 IPoE(IPoE)による接続は輻輳対策として有効だと分かった。筆者が運用するネットワークでもまだ大部分の拠点はPPPoEを使っているが、IPoEの拠点もある。NTT東日本エリアとNTT西日本エリア、それぞれで数拠点、障害時間中に疎通が取れていたかどうかを確認した。監視センターは全拠点に対し、一定周期でpingを打って疎通の有無を監視している。IPoEの拠点ではping落ち(通信断)はなかったことが分かった。
ただし、全く影響がなかったわけではない。拠点のユーザーにヒアリングすると通信が遅いといった不具合はあったことが分かった。
IPv6 IPoE方式で輻輳が起きにくいのは図3のようにトラフィックがPPPoE網終端装置を経由しないからだ。
どうやって重要通信を守るか
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「ひかり電話」を採用するとVPNの速度が低下する場合あり、対策は?
NTTグループの「フレッツ 光ネクスト」をイントラネットに使っている企業では、電話やファクシミリをISDNからひかり電話に移行する動きが始まっている。ISDNが2024年に廃止されるという理由だけでなく、基本料金を大幅に節減できるからだ。ところがフレッツ 光ネクストに、VPNとひかり電話を相乗りしにくい場合がある。相乗り自体を認めていないVPNサービスがあったり、相乗りさせるとVPNのスループットが低下したりする場合があるからだ。今回はひかり電話とVPNの相乗り問題とその対策について述べたい。 - 「内線電話」はもう止めよう
「内線」なんて今となっては時代遅れだ。時代遅れになった理由を紹介した後、内線に代わる新しいコミュニケーションサービスについて解説する。 - ネットワークエンジニアなら「回線の実体=レイヤーゼロ」を知っておこう
日々、2000拠点を超えるネットワークの運用を手掛けていると、OSIの7階層モデルにないレイヤーゼロの話、つまり「回線」をいかに引くかという点をないがしろにできないことが分かる。今回はネットワークエンジニアが意外と知らないレイヤーゼロの基本について述べたい。