「若年層はSNS、高齢層はテレビ」 野村総合研究所が新型コロナの情報源を調査:「フェイクニュースを見聞きした」7割以上
野村総合研究所は、生活者のコミュニケーション方法や情報収集手段に対する「新型コロナウイルス感染拡大の影響の調査結果」を発表した。それによると、情報の入手手段は年代によって特色があり、若年層はSNS、高齢層はテレビという傾向が見られた。
野村総合研究所(NRI)は2020年4月9日、生活者のコミュニケーション方法や情報収集手段に対する「新型コロナウイルス感染拡大の影響の調査結果」を発表した。それによると、LINEやSkypeといったデジタルコミュニケーションが増えている一方で、主にインターネットで新型コロナウイルスに関するフェイクニュースを見聞きしていることが分かった。
10代と20代の若年層はTwitter、30代と40代はGoogleやYahoo!といった検索エンジン(ポータルサイト)、50代と60代はテレビ
NRIが実施した調査では、主に情報収集行動やコミュニケーションなどについて調べた。対象は日本人で、3098人から有効回答を得た。
新型コロナウイルス感染症に関する情報の入手手段は、年代によって特色があった。10代と20代の若年層はTwitter、30代と40代はGoogleやYahoo!といった検索エンジン(ポータルサイト)、50代と60代はテレビを利用する割合が高かった。全ての年代で低迷していたのは「政府、企業、専門機関のサイト」だった。
TwitterとSNSを使い分け
具体的には、情報入手手段として「Twitter」と回答した割合は、10代が50%に及んだのに対して、20代は38%、30代は19%、40代は12%、50代は8%で、60代は4%にすぎない。それに対して「民放テレビ」と回答した割合は、10代が25%、20代は26%、30代は31%、40代は41%、50代は48%、60代は62%だった。
ただし、Twitterなどを好む若年層でも、まとまった情報を正確に知りたい場合はSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を使わない人が多かった。10代と20代を対象に、最新の情報をいち早く知る場合に利用する情報源を聞いたところ、「Twitter」と回答した割合は42%だった。それに対して、まとまった情報を正確に知る場合に利用する情報源として「Twitter」と回答した割合は19%にとどまった。NRIはこの結果について、「SNSは情報の即時性は高いものの、きちんと裏付けされ、精査された情報であるか判別できないことが多いためだ」と分析している。
従来メディアの信頼度が高い理由
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ローカル5Gでケーブルテレビ業界に勝算はあるのか、携帯会社の対抗軸になるわけではない理由
ケーブルテレビ業界の無線活用に対する期待感から生まれたローカル5Gの新会社グレープ・ワンは、どのように事業を設計しているのか。同社は必ずしも、ナショナルモバイルキャリアの対抗軸となるわけではないという。この動きは基地局シェアリングにもつながる可能性がある。 - フェイクニュースの言語パターンを特定、MIT研究チームがAIモデルを開発
MITの研究チームはフェイクニュースを自動検出するシステムを研究。これにより、機械学習モデルが本物の記事と偽の記事の言語パターンを捉えられることが分かった。ただし、「正しい」記事の特徴をつかむ際に課題が残っているという。 - ミシガン大が「フェイクニュース検出システム」開発、言語分析アルゴリズムを利用
ミシガン大学の研究者が、フェイクニュース記事を人間並みに、時には人間以上に正確に見分ける言語分析アルゴリズムベースのシステムを開発した。「うその言語的特徴」を識別することで、人間よりも最大6ポイント高い検出率を実現できたという。