「事態が収束するまで様子を見たい」 エンワールド・ジャパンがキャリア・転職の意識調査:転職希望者の動機と優先順位が変化
エンワールド・ジャパンが実施した新型コロナウイルス感染症の流行による「キャリア・転職」の意識変化に関する調査によると、58%が今後のキャリアを検討するための情報収集を始めており、41%が転職活動を開始していた。
エンワールド・ジャパンは2020年5月28日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行による「キャリア・転職」の意識変化に関する調査結果を発表した。対象はエンワールド・ジャパンのサービス登録者で、4636人から回答を得た。
エンワールド・ジャパンの調査によると「新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受け、キャリアや転職についての意識が変化した」と回答した割合は74%。その中で「どのように意識が変化したか」という問いについては、51%(複数回答、以下同)が「リモートワークが中心となる新しい働き方を希望」、次いで46%が「個人の能力やスキルアップへの意欲向上」、40%が「会社に依存した働き方への不安」、34%が「副業・ダブルワークなどにより副収入を増やしたい」と回答した。
キャリアや転職についての意識が変化した人のうち、具体的に取り組んでいることについて聞いたところ、58%(複数回答、以下同)が「今後のキャリア(転職・キャリアアップ・副業など)を検討するための情報収集」を始めていた。「スキルアップのための勉強」を始めた人は48%を占め、「転職活動」を開始した人は41%、「副業・ダブルワーク」を始めた人は17%を占めた。
「転職活動をやめた」は13%
転職活動について聞いたところ、「現在転職活動をしている」と回答した人の割合は43%、「今後転職活動を検討している」人は28%だった。転職活動を検討していたが、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて「検討をやめた」人も13%に及んだ。
検討をやめた理由では「事態が収束するまで様子を見たい」と回答した割合が最も高く70%(複数回答)に上り、「先行きが見えない状況下で転職することが不安」(65%)や、「求人が減っていると感じる」(35%)がそれに続いた。
エンワールド・ジャパンの代表取締役社長を務めるVijay Deol氏は、次のように述べている。
「新型コロナウイルス感染症の流行は、われわれの生活のあらゆる面に影響を与えており、キャリアや転職も例外ではない。健康と安全、雇用の安定、働き方、経済全般に関する懸念が、転職希望者の行動に影響を与えている。多くの人が短期的に転職をしようとしているが、動機と優先順位は変化している。リモートワークやフレックスタイムなどの柔軟な労働環境は、転職希望者が新しい会社を選ぶ際の重要な優先事項だ。日本の労働力不足は今後も継続し、人材獲得競争は続く。ポストコロナの世界で、優秀な人材を獲得するには、転職希望者の思いや優先順位の変化に対応し、健康と安全、雇用の安定、労働環境と労働の柔軟性などをより慎重に考慮する必要がある」
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