CNCF、継続的デリバリー技術のお薦めは?――新興技術ガイド「CNCF Technology Radar」の第1弾を公開:「Spinnaker」導入を勧める企業はなし
Cloud Native Computing Foundation(CNCF)は、「CNCF End User Community」の意見に基づく新興技術ガイド「CNCF Technology Radar」の第1弾を公開した。
クラウドネイティブアプリケーションの開発・運用関連のオープンソースプロジェクトをホストするなどの活動を行っているCloud Native Computing Foundation(CNCF)は2020年6月12日(米国時間)、「CNCF Technology Radar」の第1弾を公開した。
CNCF Technology Radarは、CNCFに参加するクラウドネイティブ技術のエンドユーザー企業140社以上から成る「CNCF End User Community」の意見に基づく、新興技術のガイド。このコミュニティーには大企業から新興企業までさまざまな規模の企業が加わっている。
CNCF Technology Radarの第1弾では、十数種類の継続的デリバリー(CD)ソリューションが取り上げられている。
CNCF Technology Radarの目的は、「エンドユーザーは、どのようなツールを積極的に使っているか、どのようなツールを推奨しているか」「こうしたツールの使い方のパターンは、どのようなものか」を共有することにある。
基になったフォーマット
CNCF Technology Radarが提供するソリューションガイドのフォーマットは、ThoughtWorksがオリジナル版を作成した。このフォーマットはZalando、AOE、Porsche、Spotify、Intuitなど、数十社の企業が採用している。
このフォーマットではソリューションを、評価に基づいて下記の4つのレベルに分類している。これらの分類は、ソリューションを選択している人へのアドバイスを反映している。
- Adopt
われわれはこの技術を明確に推奨する。われわれはこの技術を長期間、多くの回数にわたって使っている。この技術は安定しており、有用なことが分かっている - Trial
われわれはこの技術を使って成功を収めており、この技術に注目することをお勧めする - Assess
われわれはこの技術を試し、有望と考えている。プロジェクトでこの技術が必要になったら、調査することをお勧めする - Hold
この技術については、使用を見合わせることをお勧めする。この技術が「悪い」ということではなく、多くの場合、既存プロジェクトで使う分には問題ないかもしれない。だが、われわれは、より良い選択肢や代替技術があるという理由で、使うべきではないと考えた場合、ソリューションをこのカテゴリーに分類する
フォーマットとは異なる点
CNCFは、CNCF Technology Radarは、このフォーマットにヒントを得ているが、下記の点が異なっていると説明している。
- CNCF End User Communityの評価データに基づいており、コミュニティーの代表者が構成して提示している
- 今後の導入に焦点を当てており、Assess、Trial、Adoptの3つのレベルしか設けていない
- 数百のアイテムをカバーするのではなく、特定のユースケースにおける10〜20のアイテムを対象に評価、分類している
CDソリューションのお薦めは?
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