ビッグデータの取り組みではデータベースが重要、SQLとNoSQLのどちらが優位なのか:SQLとNoSQLデータベースのどちらも使う企業が多数派に
Cockroach Labsは、ソフトウェア開発者のオンラインコミュニティー「DZone.com」が発表したデータベーストレンドレポート「Database Evolution: SQL or NoSQL in the Age of Big Data」を取り上げて、ビッグデータへ取り組む企業がSQLとNoSQLデータベースをどの程度利用しているのかを紹介した。
データベースベンダーのCockroach Labsは2020年9月9日(米国時間)、ビッグデータの取り組みにおいて企業がどのようなデータベースを利用しているのかについての調査結果「Database Evolution: SQL or NoSQL in the Age of Big Data」(データベースの進化:ビッグデータ時代におけるSQLとNoSQL)を紹介した。
調査結果のハイライトは次の通り。
SQLとNoSQLの両方を利用している企業が多い
ビジネスの意思決定にビッグデータを利用している企業の過半数(58%)は、SQLとNoSQLデータベースを組み合わせて使っている。SQLデータベースのみ、またはNoSQLデータベースのみを使っている企業はいずれも2割に満たない。
SQLの利用は下火になっていない
NoSQLの人気が強くなるのに伴い、ビッグデータの取り組みにおけるSQLの利用は大きく落ち込んだが、ここ3〜4年で再び拡大し、NoSQLに迫る利用規模となっている。採用率ではNoSQLが若干の優位性を維持しているが、SQLは非構造化データベースの強力な競争相手として再浮上してきた。
NoSQLだけではビッグデータをうまく利用できない
ビジネスの重要な意思決定にビッグデータを活用できているかどうか、企業に質問したところ、NoSQLデータベースを使用している企業は、その度合いを「非常に低い」(Very Bad)、「低い」(Bad)と自己評価した割合が高かった。SQLデータベースを使用している企業やNo SQLとSQLの両方を組み合わせて使用している企業はこの比率が低かった。
NoSQLデータベースだけを使っている企業はビッグデータをうまく活用できていない(出典:DZoneレポート「Database Evolution: SQL or NoSQL in the Age of Big Data」)
ビッグデータ活用には何が必要なのか
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