ハイパーコンバージド向けOS「Azure Stack HCI」正式リリース、Azure機能をオンプレミスに拡張:Microsoft Azure最新機能フォローアップ(131)
Microsoft Azureのサービスとして提供される、最新のハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)向けオペレーティングシステム(OS)である「Azure Stack HCI」が正式版となり、一般提供が始まりました。
Microsoftのハイブリッドソリューション「Azure Stack」とは
「Azure Stack」は、Microsoft Azureのサービスと機能をオンプレミスのデータセンターやリモートオフィス、エッジなどに拡張できるハイブリッドソリューションです。
Azure Stackのソリューションは、クラウドで管理されるアプライアンス製品である「Azure Stack Edge」、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)OSである「Azure Stack HCI」、Azureと一貫性のあるサービスと機能をインターネットやクラウドから切断された独自のクラウドや、オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境に提供する「Azure Stack Hub」で構成されます。Azure Stack上でアプリを構築、デプロイ、実行することで、さまざまなシナリオに柔軟に対応することができます。
- Azure Stack(Microsoft Azure)
スケーラブルなコンピューティング環境を提供するAzure Stack HCI
Microsoftは2020年12月10日、最新のAzure Stack HCIを正式にリリースし、一般提供を開始しました。Azure Stack HCIはWindows Server(Server Core)ベースの専用OSであり、最新のセキュリティ、パフォーマンス、機能更新を、Azureのサービスとして提供します(Azureサブスクリプションで利用可能です)。
- Azure Stack HCI is now generally available[英語](Microsoft Azure)
- Azure Stack HCI delivers world-class hyperconverged infrastructure[英語](Microsoft Azure)
Azure Stack HCIは、Microsoftのパートナー企業を通じて検証されたハードウェアとともに提供され、スケーラブルなコンピューティングおよびストレージを提供するインフラストラクチャ上に、WindowsおよびLinux仮想マシンやコンテナのデプロイを可能にします。
また、「Azure Backup」や「Azure Monitor」「Azure Security Center」など、Azureの各種サービスとともに、オンプレミスのデータセンターをクラウドにシームレスに拡張することができます。
下記のAzure Stack HCIのWebサイトでは、Azure Stack HCI(OSのみのISOイメージ)の30日無料評価版を申し込むことができる他(画面1)、「Azure Stack HCI Catalog」でAzure Stack HCI対応のハードウェアを検索することができます(画面2)。
- Azure Stack HCI(Microsoft Azure)
画面1 Azure Stack HCIのデスクトップ。正式リリース時のバージョンは「20H2(2009)、ビルド17784」。ビルド番号は、最新のWindows Server(ビルド19042)よりも、Windows Server 2019(ビルド17763)に近い
筆者紹介
山市 良(やまいち りょう)
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(2020-2021)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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