Gartnerが勧める「9つのハック」、デジタルビジネスを加速させるには:意思決定を早くするには
Gartnerはデジタルビジネスの加速を目指す企業のリーダーの指針となる「9つのハック」を紹介した。組織のアジリティ向上のために取るべき3つの行動に役立つハックだ。
Gartnerは2021年2月2日(米国時間)に公開したブログ記事で、デジタルビジネスを加速させようとしている企業のリーダーに向けて、組織のアジリティ(機敏さ)を高めるために取るべき3つの行動と、行動を始めるのに役立つ9つのハックを紹介した。
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行(パンデミック)を機に、多くの企業がデジタルビジネスを加速させようとしている。だが、それは単なる技術の問題ではない」とGartnerは指摘している。デジタルビジネスを加速させるには、業務遂行やプロセスの開始、意思決定の方法を綿密に見直し、組織が新しい仕事文化に俊敏かつ適切に適応できるようにする必要があるという。
Gartnerのディスティングイッシュト バイスプレジデント アナリスト、メアリー・メサグリオ氏は、次のように説明している。「デジタルビジネスの加速は、これまでとは異なるやり方で、より迅速に仕事をするということだ。だが、人々が号令一下で業務慣行を変えることはない。経営リーダーは新しい価値を定義したり、既存の価値を推進して、求められる行動をそれらに関連付けて説明したりすることで、従業員のために行動変革の枠組みを示す必要がある」
デジタルビジネスの加速を目指すリーダーに対して、Gartnerは組織のアジリティを高めるために次の3つの行動を取るよう勧め、各行動に役立つカルチャーハックの例も併せて紹介している。
行動1 意思決定を加速させる
商品の投入やガバナンス、さまざまなプロセスを加速する鍵は、組織内の意思決定を加速させることにある。責任の回避やリスク回避、不明確な目標、不明確な予測結果、情報の欠如などにより、これが妨げられる。
意思決定のスピードは、決定を覆すことが可能な時間によって決めるべきだ。つまり、決定事項の重要度が低いほど、より短い時間で意思決定を下す必要がある。同様に、決定事項の重要度が高いほど、より時間をかけて意思決定を下さなければならない。
- ハック1 「ノー」は禁止
リーダーは「これはうまくいかない」と言うのではなく、「このような制約がある中で、どうすればうまくいくのか」と質問しなければならない。単に否定する代わりに、追加の情報をリクエストするように言い換えるとよい。新しいアイデアやまだ試されていないアイデアについては、特にそうだ。
- ハック2 特定の金額以下の決定事項について承認者を明確にする
金額規模がXドル以下の決定事項については、1人だけで承認できるようにする。それが誰で、どのような場合に承認権限を持つのかを明確にする。
- ハック3 最初に抵抗者を探す
決定事項に一番不満を持ちそうな人を見つけ、問題点を全て話してもらう。早期に問題をクリアすれば、意思決定のスピードが上がる。
行動2 仕事を簡素化する
無駄に複雑なプロセスが意思決定を阻害する場合がある。実のところ、仕事の手順の複雑さは、仕事の実際の価値と必ずしも比例しない。
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