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データファイルの使用状況を出力する:SQL Server動的管理ビューレファレンス(23)
「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、データファイルの使用状況の出力について解説します。
本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は「sys.dm_db_file_space_usage」の、データファイルの使用状況の出力について解説します。対応バージョンは、SQL Server 2008以降です。
概要
SQL Serverでは、データベースのオブジェクトやユーザーデータはデータファイル(.ndf または .mdf)に記録されます。データの変更などのログ情報は、データファイルとは別に、トランザクションログファイルに記録されます。
データファイルでは、「ページ」と呼ばれる8KBサイズの基本単位で、オブジェクトやユーザーデータへのストレージの割り当てを行います。ページは「エクステント」と呼ばれる8ページ(64KB)をまとめた領域単位で、オブジェクトやユーザーデータへの割り当てを管理されます。
「sys.dm_db_file_space_usage」動的管理ビューを出力することで、データファイルのエクステントやページの使用、割り当て状況や用途について確認できます。
出力内容
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
database_id | smallint | データベースID |
file_id | smallint | ファイルID |
filegroup_id | smallint | ファイルグループID |
total_page_count | bigint | ファイルのページの総数 |
allocated_extent_page_count | bigint | ファイルの割り当て済みエクステント内の総ページ数 |
unallocated_extent_page_count | bigint | ファイルの未割り当てエクステント内の総ページ数 |
version_store_reserved_page_count | bigint | バージョンストアに割り当てられる単一エクステント内の総ページ数 |
user_object_reserved_page_count | bigint | データベース内のユーザーオブジェクトに対して単一エクステントから割り当てられるページの総数 |
internal_object_reserved_page_count | bigint | ファイル内の内部オブジェクトに対して割り当てられる単一エクステント内の総ページ数 |
mixed_extent_page_count | bigint | ファイルに含まれる混合エクステント内の、割り当て済みページと未割り当てページの総数 |
modified_extent_page_count | bigint | 前回のデータベースの完全バックアップ以降、変更されたエクステント数 差分バックアップの量を追跡するために使用できる |
動作例
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