SQL DatabaseのCPUとI/O、メモリの消費量を確認する:SQL Server動的管理ビューレファレンス(36)
「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、「Azure SQL Database」におけるCPUとI/O、メモリの消費量の確認について解説します。
本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_db_resource_stats」における、「Azure SQL Database」(SQL Database)のCPUとI/O、メモリの消費量の確認について解説します。
概要
SQL Serverでは、使用可能なリソースの上限は物理/仮想サーバのリソース量やSQL Serverのサーバ構成オプションなどで決まります。
SQL Databaseの場合、使用可能なリソースの上限は選択されている購入モデル(DTU/vCore)やサービスレベル、コンピューティングレベルによって決まります。
SQL Serverの場合、リソースの使用状況はパフォーマンスログの採取で確認できます。しかしながら、SQL Databaseの場合は、サービスをホストするサーバには接続できないため、パフォーマンスログの採取でリソースの使用状況を確認できません。
SQL Databaseでは「sys.dm_db_resource_stats」動的管理ビューを使用して、現在のコンピューティングレベルで使用可能なリソースの上限に対して、どのリソースがどの程度の割合で使用されているかを確認できます。
出力内容
出力は15秒ごとに1行作成され、履歴データは約1時間分が保持されます。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
end_time | datetime | 現在のレポート期間の終了時刻(UTC) |
avg_cpu_percent | decimal(5,2) | 現在のサービスレベルでの制限に対する平均CPU使用率 |
avg_data_io_percent | decimal(5,2) | 現在のサービスレベルでの制限に対する平均データI/O使用率 |
avg_log_write_percent | decimal(5,2) | 現在のサービスレベルでの制限に対する平均ログ書き込みスループット使用率 |
avg_memory_usage_percent | decimal(5,2) | 現在のサービスレベルでの制限に対する平均メモリ使用率 |
xtp_storage_percent | decimal(5,2) | レポート期間の終了時の、現在のサービスレベルでの制限に対するインメモリOLTPストレージ使用率 データベースでインメモリOLTPを使用しない場合は0 |
max_worker_percent | decimal(5,2) | 現在のサービスレベルでの制限に対する最大同時実行ワーカー数の割合 |
max_session_percent | decimal(5,2) | 現在のサービスレベルでの制限に対する最大同時セッション数の割合 |
dtu_limit | int | データベースの最大DTU設定 vCoreモデルを使用するデータベースではNULL |
cpu_limit | decimal(5,2) | データベースの仮想コア数 DTUモデルを使用するデータベースではNULL |
avg_instance_cpu_percent | decimal(5,2) | データベースが使用するCPU使用率の平均 |
avg_instance_memory_percent | decimal(5,2) | データベースが使用するメモリ使用率の平均 |
avg_login_rate_percent | decimal(5,2) | サポートされていない |
replica_role | int | データベースの現在のレプリカのロールを表す 0:プライマリ 1:セカンダリー 2:フォワーダ(読み取り可能セカンダリーにRedeOnlyを指定せず接続した場合) |
動作例
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