投資額別に「松・竹・梅」で見る、理想のリモートミーティング環境――数千円+Zoom設定変更から数万円コースまで:ものになるモノ、ならないモノ(91)
快適なテレワーク環境を構築するために、何を用意すべきなのだろうか。音楽制作業を営む山崎潤一郎氏が快適なリモートミーティングを実施するための知見を「松・竹・梅」の投資額別に解説する。
コロナ禍が続く中、テレワークで勤務している人も多いだろう。テレワークともなると、リモートミーティングの機会も増大しているはず。本稿では、トラブルフリーで快適なリモートミーティングを実施するためのノウハウを筆者の経験をベースにまとめてみた。
あくまでも筆者の経験ベースなので、これが絶対と言い切れない部分もあるが、参考にしていただければ幸いだ。以下、筆者のリモートミーティング環境だ。
- MacBook Pro 2020 32GBメモリ
- Belkin USB-C to Gigabit Ethernet Adapter
- AirPods Pro
- 簡易防音が施行された比較的静かな仕事部屋
ただ、上記は、通常ミーティングにおける基本型であり、いわば普段着感覚のセットアップだ。一般的なミーティングや取材はこれでトラブったことはない。
その一方で、音楽制作業を営む筆者は、高音質音声が必要とされる状況もある。その際は、外付けオーディオインタフェースにマイクを接続し有線ヘッドフォンを使用している。以後、音質面の向上に向けた投資額を「松」「竹」「梅」に分けて解説したい。
ちなみに、今回は、画質については触れない。理由は単純で、ほとんどのミーティングでは資料などを大きく映し、自分の顔は他の参加者に小さく表示される。画質にお金と労力をかけても残念感が漂う。筆者の場合、MacBook Proの内蔵カメラで十分だというのが正直なところ。使用ソフトウェアは、頻度の順で、「Zoom」「Microsoft Teams」「Google Meet」「Cisco Webex Meetings」を経験しているが、ここでは最もポピュラーなZoomを事例として取り上げている。
先ほど、トラブルの経験はない、と書いたが実は、一度だけGoogle Meetが強制終了したことがある。もともと、Google Meetは、PCのリソースを多く食うことで知られているが、そのときは、バックグラウンドで動作するLogicoolマウス用の「Logi Options Daemon」の負荷が異常に上昇していた。
理由は現在調査中だが、Logi Options Daemonは、映像系や音楽系の作業をしているときに、なぜか負荷が高まり、MacBook Proのファンが高速回転を始めることが多々ある。Google Meetを利用する際には、負荷に注意したい。
最適なリモート環境とは
なるべく良い音質でリモートミーティングを行う際の基本は、イヤフォンかヘッドフォンを使うことだ。ただし、ここでいう音質は、音楽でいうような音質ではなく、ブチブチとした音の途切れや、音声圧縮やエコーキャンセリングなどに起因する音声の乱れをなるべく少なくすることを指している。
内蔵マイクと内蔵スピーカーを使用すると、エコーキャンセリング機能がフル稼働するので、筆者の場合、少しでもコンピュータリソースを節約するためにイヤフォン(AirPods Pro)を必ず利用している。ただ、無線である必要はない。AirPods Proのバッテリー残量が心配なときは、実売3000円程度の有線のカナル型イヤフォン(PHILIPS SHE9701)をMacBook Proのヘッドフォン端子に接続して利用している。
ちなみに、当初は密閉型のヘッドフォン(SONY MDR-CD900ST)を使用していたが、1時間を超えて使用していると耳が痛くなるのでやめた。AirPods Pro以外の他社製イヤフォンを使う場合は、MacBook Proの内蔵マイクを利用することになる。
次に気にすべきは、宅内のネットワーク環境だ。筆者は、USB-Cとギガイーサの変換アダプターを使用してMacBook Proをイーサネットでルーターに接続している。Wi-Fiよりも安定感に違いを感じる。しかも、ルーターへの接続は、ハブを介すことなく、フレッツ光のNEC製ルーターのイーサネットポートにじかにつないでいる。ハブを介したら特に不安定になるとは思わないが、さらなる安心感を得るという意味でそうしている。
「梅」コースとZoomの基本的な「オーディオ」設定
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