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PolyBaseを使用したクエリに関する情報を出力するSQL Server動的管理ビューレファレンス(51)

「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、PolyBaseを使用したクエリに関する情報の出力について解説します。

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SQL Server動的管理ビュー一覧

 本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_exec_distributed_requests」における、PolyBaseを使用したクエリに関する情報の出力について解説します。対応バージョンは、SQL Server 2016以降です。

概要

 PolyBase機能を使用したクエリの実行では、操作を追跡するため一意の「execution_id」が割り当てられます。Polybase関連の動的管理ビューには基本的に「execution_id」が割り当てられており、「execution_id」列を結合することで他の情報を確認できます。「sys.dm_exec_distributed_requests」を実行するとPolyBaseを使用したクエリに関する情報を出力します。

出力内容

列名 データ型 説明
sql_handle varbinary(64) クエリの識別子
execution_id nvarchar(32) 要求に関連付けられているID
status nvarchar(32) 要求の状態。次のいずれかになる
 Pending
 Authorizing
 AcquireSystemResources
 Initializing
 Plan
 Parsing
 AquireResources
 Running
 Cancelling
 Complete
 Failed
 Cancelled
error_id nvarchar(36) エラーのID
start_time datetime 開始された時刻
end_time datetime コンパイルを完了した時刻
total_elapsed_time int ミリ秒単位の実行時間の合計
compute_pool_id int コンピューティングプールのID

動作例

 PolyBaseのスケールアウトグループを構成した環境で「sys.dm_exec_distributed_requests」を実行すると、PolyBaseを使用したクエリに関する情報が出力されました(図1)。

図1
図1 「sql_handle」と「execution_id」や実行時間を確認できる

 SQL Server 2019では、新たに「compute_pool_id」列が追加されています。「sql_handle」列が含まれているため、「sys.dm_exec_sql_text」などと組み合わせることで実行されたクエリを特定できます。

※本Tipsは、「Windows Server 2019」上に「SQL Server 2019 RC1」をインストールした環境を想定して解説しています。

筆者紹介

椎名 武史(しいな たけし)

日本ユニシス株式会社所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。

伊東 敏章(いとう としあき)

日本ユニシス株式会社所属。入社以来SQL Server一筋で評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。社内のプログラミングコンテストで4回の優勝経験も持つ。趣味は輪行で週末は自転車を持っての旅行。目標は色々な日本百選を制覇すること。


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