ローコード開発のOutSystemsが、マイクロサービス化した次世代版「Project Neo」を発表:「面倒なくスタートアップ企業と同じようなアプリが作れる」
OutSystemsが、同社のローコード開発プラットフォームで、コンテナとクラウドを活用する次世代版、「Project Neo」を発表した。マイクロサービス化しており、スタートアップ企業と同じようなアプリケーションサービスの開発と運用が、一般企業でも煩雑な作業なしにできるとしている。
OutSystemsは2021年11月17日(日本時間)、同社のローコード開発プラットフォームで、コンテナとクラウドを活用する次世代版を発表した。「Project Neo」という開発コード名で呼んでいるが、既にパブリックプレビュー版をリリースした。正式な提供開始は2022年を予定している。
OutSystemsは、大規模で複雑なアプリケーション/システムを高速に開発し、CI/CDサイクルを回していくことを目的としたローコード開発プラットフォーム。画面設計やビジネスロジック、データソースとの連携など、ほとんどの開発作業をビジュアルに行えるようにしているが、複雑なアプリケーションの開発には、プログラミングに関する素養が求められる。
同プラットフォームは現在、B to Cのモバイルアプリ、Lotus Notesの代替、生産/販売管理、B to Bの購買システム、航空会社の運行管理システムなどの開発に使われている。日本郵船がフィリピンに設立したフィンテック企業MarCoPayは、電子決済、国際送金などの機能を持った船員向けのモバイルアプリを、OutSystemsで開発しているという。
次世代版プラットフォームProject Neoは、マイクロサービスアーキテクチャに移行する。
Project Neoを使えば、一般企業でも、開発周りやインフラ周りの面倒な問題を意識することなく、スタートアップと同じようなアプリケーションの開発と運用ができると、CTO(最高技術責任者)のパトリック・ジーン氏は同社イベントで訴えた。
プラットフォームとランタイムを分離し、マイクロサービス化
Project NeoはAmazon Web services(AWS)で稼働し、サービスとして提供される。既存のOutSystemsはWindows Server仮想マシン上で動くが、次世代版ではLinuxコンテナ、Kubernetes(Amazon EKS)へ移行する。
開発プラットフォームとランタイムは分離し、マイクロサービス化。プラットフォームサービスはサービスごとに分割される。
アプリケーションはきめ細かくスケーリングする。プラットフォーム側も同様だ。例えば特定の日時に、多数の開発者が集中的に作業を行った場合でも、自動的に負荷が分散される。開発プラットフォームとアプリケーションは別個にスケーリングするため、アプリケーション稼働への影響もない。
マイクロサービス化により、アプリケーションのコンパイルにかかる時間は、従来に比べて大幅に短縮される。アプリケーションの修正も、関係するコンテナを再投入するだけなので、リコンパイルによる時間の無駄が防げるという。
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