FILESTREAMハンドルの一覧を出力する:SQL Server動的管理ビューレファレンス(90)
「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、FILESTREAMハンドルの一覧を出力する方法について解説します。
本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_filestream_file_io_handles」における、FILESTREAMハンドルの一覧を出力する方法について解説します。対応バージョンは、SQL Server(サポートされている全てのバージョン)です。
概要
SQL ServerではFILESTREAMの機能を使用することで、非構造化データ(ドキュメントやイメージなど)をファイルシステムに格納できます。FILESTREAMの機能によって、ファイルシステムのストリーミングAPIをアプリケーションで活用できるほか、非構造化データとそれに対応する構造化データの間でトランザクションの一貫性を維持できます。
FILESTREAMの機能を使用するためには、SQL ServerインスタンスでFILESTREAM機能を有効化して、データベースやテーブルをFILESTREAMデータを格納できるように構成する必要があります。
FILESTREAMを使用する際には、T-SQLを使用してFILESTREAMデータの論理パスを取得後に、アプリケーションからOpenSqlFilestream APIを使用してFILESTREAMハンドルを作成すると、ファイルシステムのストリーミングAPIによりFILESTREAMデータにアクセスできるようになります。
「sys.dm_filestream_file_io_handles」動的管理ビューでは、OpenSqlFilestream APIを使用して作成されているFILESTREAMハンドルの情報の一覧を出力できます。
出力内容
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
handle_context_address | varbinary(8) | ハンドルに関連付けられた内部構造体のアドレス |
creation_request_id | int | ハンドルの作成に使用されたREQ_PRE_CREATE I/O要求のフィールド |
creation_irp_id | int | ハンドルの作成に使用されたREQ_PRE_CREATE I/O要求のフィールド |
handle_id | int | ドライバによって割り当てられたハンドルの一意のID |
creation_client_thread_id | varbinary(8) | ハンドルの作成に使用されたREQ_PRE_CREATE I/O要求のフィールド |
creation_client_process_id | varbinary(8) | ハンドルの作成に使用されたREQ_PRE_CREATE I/O要求のフィールド |
filestream_transaction_id | varbinary(128) | ハンドルに関連付けられているトランザクションのID 「get_filestream_transaction_context」関数によって返された値 |
access_type | nvarchar(60) | ファイルを開くときに指定されたアクセスモード |
logical_path | nvarchar(256) | このハンドルによって開かれたファイルの論理パス名 |
physical_path | nvarchar(256) | ファイルの実際のNTFSパス名 |
動作例
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