Cloudflareとオープンソースコミュニティー、W3Cの新コミュニティーグループ「WinterCG」を共同で創設:ブラウザ以外のJavaScript環境の標準化を目指す
CDN大手のCloudflareはVercel、Shopify、オープンソースプロジェクトの「Node.js」と「Deno」それぞれの主要コントリビューターと共同で、W3Cの新しいコミュニティーグループ「Web-interoperable Runtimes Community Group」(Web相互運用性JavaScriptランタイムコミュニティーグループ:WinterCG)を創設した。
CDN(Content Delivery Network)大手のCloudflareは2022年5月9日(米国時間)、Vercel、Shopify、オープンソースプロジェクトの「Node.js」と「Deno」それぞれの主要コントリビューターと共同で、Web技術の標準化団体W3C(World Wide Web Consortium)の新しいコミュニティーグループ「Web-interoperable Runtimes Community Group」(Web相互運用性JavaScriptランタイムコミュニティーグループ:WinterCG)を創設したと発表した。
Cloudflareはサーバレスプラットフォーム「Cloudflare Workers」を手掛けており、Node.jsはサーバサイドJavaScript実行環境、DenoはJavaScriptとTypeScriptのランタイム環境だ。Cloudflareはプレスリリースでこれらを「3大JavaScript環境」と呼び、WinterCGの活動がこれらの環境の統合につながり、未来のエッジコンピューティングの標準を作ること、そして開発者に柔軟性と選択肢を提供することが可能になると述べている。
既存のW3Cコミュニティーグループとの違い
W3CサイトのWinterCGのページによると、WinterCGは、Webのプラットフォーム機能やAPIの開発に焦点を当てた既存のコミュニティーグループやワーキンググループの活動を、非Webブラウザベース実装の特定のニーズに焦点を当てることで、補強することを目指している。
「Web Incubator Community Group」(WICG)や「Web Hypertext Application Technology Working Group」(WHATWG)といった既存のコミュニティーグループは、いずれも「ブラウザまたは同様のユーザーエージェントで実装される」機能を明確に対象としている。
だが、WinterCGは、バックエンドサーバ、サーバレスコンピュート、IoT、コマンドラインツールといった環境(基本的に、ブラウザ以外の全て)における同じ機能の実装に焦点を当てるという。
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