連載
インメモリOLTPガベージコレクションの統計情報を出力する:SQL Server動的管理ビューレファレンス(131)
「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、インメモリOLTPガベージコレクションの統計情報の出力について解説します。
本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_xtp_gc_stats」における、インメモリOLTPガベージコレクションの統計情報の出力について解説します。対応バージョンは、SQL Server(サポートされている全てのバージョン)、「Azure SQL Database」「Azure SQL Managed Instance」です。
概要
SQL ServerではインメモリOLTPを使用することで、トランザクション処理やデータ取得、データロード、一時データ・シナリオのパフォーマンスを最適化できます。インメモリOLTPでは、データアクセスやトランザクション実行は、従来のディスクベースのオブジェクトとは異なるアルゴリズムで処理されます。
メモリ最適化テーブルのデータ行が削除されると、削除されたデータ行はインメモリOLTPガベージコレクションスレッドによってメモリ解放の対象になります。「sys.dm_xtp_gc_stats」動的管理ビューでは、インメモリOLTPガベージコレクションの実行に関する統計情報を出力できます。
出力内容
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
rows_examined | bigint | サーバの起動後にガベージコレクションサブシステムによって検査された行の数 |
rows_no_sweep_needed | bigint | ダスティーコーナースキャン(詳細な調査)なしで削除された行の数 |
rows_first_in_bucket | bigint | ガベージコレクションによって検査された、ハッシュバケットの最初の行であった行の数 |
rows_first_in_bucket_removed | bigint | 削除されたハッシュバケットの最初の行であるガベージコレクションによって検査された行の数 |
rows_marked_for_unlink | bigint | ガベージコレクションによって検査された「ref_count」が「0」のインデックスで、すでに「unlinked」としてマークされていた行の数 |
parallel_assist_count | bigint | ユーザートランザクションで処理された行の数 |
idle_worker_count | bigint | アイドル状態のワーカーによって処理されたガベージ行の数 |
sweep_scans_started | bigint | ガベージコレクションサブシステムによって実行されたダスティコーナースキャンの数 |
sweep_scans_retries | bigint | ガベージコレクションサブシステムによって再実行されたダスティコーナースキャンの数 |
sweep_rows_touched | bigint | ダスティコーナー処理によって読み取られた行 |
sweep_rows_expiring | bigint | ダスティコーナー処理によって読み取られた期限切れの行の数 |
sweep_rows_expired | bigint | ダスティコーナー処理によって読み取られた期限切れの行の数 |
sweep_rows_expired_removed | bigint | ダスティコーナー処理によって削除された期限切れの行の数 |
動作例
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