AWS、Azure、GCP上のVMware Cloudが、単一のサブスクリプションで利用可能に:VMwareのマルチクラウド構想の一環
VMwareが年次カンファレンス「VMware Explore 2022」で同社のサブスクリプションプログラムに「Azure VMware Solution」を組み入れたことを発表した。これでAWS、Azure、GCP上のVMwareを、統合的な課金の下で使えるようになった。
VMwareのITインフラ環境をAmazon Web Services(AWS)のベアメタルサーバ上で動かすサービス「VMware Cloud on AWS」は広く知られているが、同様なサービスはMicrosoft Azure(Azure)、Google Cloud Platform(GCP)、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)など、さまざまなクラウドで提供されている。
VMwareは2022年8月30日(米国時間)、年次カンファレンス「VMware Explore 2022」で行った発表により、オンプレミスのVMware Cloud Foundation(VCF)、AWS、Azure、GCP上のVMwareソリューション間での課金を統合する選択肢を実現した。
これはAzure上のVMwareソリューションである「Azure VMware Solution」が、VMwareのサブスクリプションプログラムである「VMware Cloud Universal」に対応したもの。
VMware Cloud Universalは、オンプレミスのVCFを使っている企業が、自社のペースでハイブリッド/マルチクラウドに移行できるようにするVCFのサブスクリプションプログラム。購入したクレジットを、複数のVMwareインフラに振り分けられる。振り分けは、ユーザー企業が自ら「VMCコンソール(VMware Cloud Console)」で行える。
参考記事:
マルチクラウドにおける次の課題とVMwareのサービス化、Kubernetesの役割
2021年3月にこのプログラムを発表した時点で対象となっていたのは、オンプレミスのVCF、「VMware Cloud on AWS」「VMware Cloud on Dell EMC」。マルチクラウドをうたいながら、選択肢は限られていた。
だが、その後2022年5月にはGCP上の「Google Cloud VMware Engine」に対応。そして今回、Azure VMware Solutionも同プログラムの対象となった。これで、オンプレミスに加え、三大クラウド上のVMwareが、統合的な課金の下で使えるようになった。
これで、複数のメジャークラウドを自由に組み合わせて、VMwareインフラによるマルチクラウドを構成できる。VMwareでは、VCFをホストする他のサービスプロバイダーにも、このプログラムを広げていきたいとしている。
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