拡張キー管理プロバイダーを使用しているセッションの情報を出力する:SQL Server動的管理ビューレファレンス(162)
「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、拡張キー管理プロバイダーを使用しているセッションの情報を出力する方法について解説します。
本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_cryptographic_provider_sessions」における、拡張キー管理プロバイダーを使用しているセッションの情報を出力する方法について解説します。対応バージョンは、SQL Server(サポートされている全てのバージョン)です。
概要
SQL Serverには、拡張キー管理(EKM)を使用したデータ暗号化機能が用意されています。
法規制順守の必要性やデータプライバシーに対する関心の高まりを受けて、さまざまなハードウェアベンダーからハードウェアセキュリティモジュール(HSM)製品が提供されています。SQL Serverの拡張キー管理では、EKM/HSMベンダーが作成したEKMモジュールをSQL Serverに登録することによって、EKMモジュールによる高度な暗号化機能やキー管理機能を利用できます。
「sys.dm_cryptographic_provider_sessions」動的管理ビューでは、EKMプロバイダーを使用しているセッションの一覧情報を出力できます。
構文と引数
構文 sys.dm_cryptographic_provider_sessions (session_identifier)
引数名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
session_identifier | int | 返されるセッションを指定する整数 「0」=現在の接続のみ 「1」=全ての暗号接続 |
出力内容
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
provider_id | int | 暗号化サービスプロバイダーの識別番号 |
session_handle | binary(8) | 暗号化セッションハンドル |
identity | nvarchar(128) | 暗号化サービスプロバイダーでの認証に使用するID |
spid | smallint | 接続のセッションID |
動作例
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