新しいBingに組み込まれたChatGPTよりも強力な言語モデルに触ってみよう:ChatGPT入門(1/2 ページ)
ChatGPTはブラウザや検索エンジンの世界にも大きな影響を与え、その技術を組み込んだ検索エンジンが登場しました。今回はこれに触ってみましょう。
新しいBing
マイクロソフトが2023年2月7日にChatGPTの技術を活用して新しくなった検索エンジン「Bing」を発表しました(以下では「新しいBing」とでも呼びましょうか)。筆者は少し遅いタイミングで「順番待ちリスト」に登録したのですが、幸いにも新しいBingにアクセスできるようになったので、ちょっとその使い勝手やChatGPTとの違いを試した上で、前回に紹介したOpenAI Cookbookで紹介されているノウハウが使えるかを見てみることにします。
そのリリースには、新しいBingではOpenAIによる「ChatGPTよりも強力」な言語モデルと、「OpenAIモデルの力を最大限に発揮できる」ようにマイクロソフトが開発した「Prometheusモデル」「コア検索アルゴリズムへのAI適用」「新たなユーザーエクスペリエンス」により「検索の再発明」がなったとあります。
PrometheusモデルがOpenAIのモデルを内包するものなのかどうかなどはよく分かりませんね(かわさき)。
ちなみにPrometheusはギリシャ神話の「プロメテウス」のことみたいで、カッコイイ名前ですね(一色)。
2023年2月14日時点では新しいBingはデスクトップ限定でのプレビュー段階にあり、https://www.bing.com/newにアクセスして「順番待ちリスト」に登録して、新しいBingへのアクセスが可能になるまで待機する必要があります。
このとき、Edgeを既定のブラウザに設定し、スマートフォンにBingアプリをインストールすると早期にアクセスできるようですが、その真偽は筆者にはよく分かりません。
また、マイクロソフトのWebブラウザである「Edge」からでないと新しいBingには(現状)アクセスできないようです。上で述べた「新たなユーザーエクスペリエンス」を試してみるならEdgeの開発プレビューをダウンロードする必要もあるようですが、安定版のEdgeでも問題はないでしょう。
macOSでSafari用の拡張機能「Microsoft Bing for Safari」をインストールすると、使えるようにならないかな? と思ったのですがそんなことはありませんでした。
というわけで、Edgeで新しいBingを試してみることにしましょう。
新しいBingを試してみる
以下はEdgeを使って、bing.comにアクセスをしたところです。
トップに以下のように[チャット]があることに気が付いたでしょうか。
これをクリックすると画面は次のように変化します。
最下部に新しいBingに尋ねたいことを入力するプロンプトが表示されています。ここに何かを入力することでチャットが始まります。取りあえず、ありがちな「2022年にJ1リーグで17位と18位になって、2023年シーズンからJ2リーグに降格することになったチームを教えてください」と入力したところが以下の画像です。
この画像は新しいBingで使われている言語モデルとChatGPTとの大きな3つの違いを示しています(快適な検索をチャットベースでどうやるかを考えると以下の3つは必須だとマイクロソフトが考えているのでしょう。実際、昔の情報しか知らない検索エンジンは使えないでしょうし、出典のリンクはもっと情報を得たい人にはとても好ましい機能だと感じます。チャットが返す情報があっているかどうかは別として)。
- 必要があれば自分でWeb検索を行う
- 2022年にあったことでも知っている(検索ができるから?)
- 出典が記載されている
と同時に2つのモデルが「間違ったことでもそれっぽく返答してくる」ことも示しています。2022年のJ1リーグで16位になったのは「ガンバ大阪」ではなく「京都サンガ」ですからね。
そういうわけで、情報を訂正したのが以下です。
京都サンガとガンバ大阪の情報は直りましたが、余計なことを付け加えたばっかりに、実際に昇格したアルビレックス新潟と横浜FCの立場がないことになってしまいました(笑)。
ちなみにアドレスバーに検索項目を入力して[Enter]キーを押すという従来の方法でもこのチャット画面に移行することは可能です。例えば、以下は「python 余りを求める」とEdgeのアドレスバーに入力した結果です。
ページ左側にはよく見る検索結果が、右側には新しいBingがとりまとめた解法です。この下部には[チャットしましょう]というリンクがあるので、これをクリックすると上で見たのと同様なチャット画面が表示されます。
ただし、新しいBingからの返事が表示されなかったり、ページ左側にチャット画面を開くためのリンクが表示されたりすることもあるので、近いうちにちゃんとした方法が決まると思われます。
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