2023年以降のネットワーク投資動向を読む:Gartner Insights Pickup(293)
2023年に入って間もないこの時期に、今年以降のネットワーク投資の動向を考えてみよう。
ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。
Gartnerは、2022年12月上旬に開催した「Gartner IT Infrastructure, Operations & Cloud Strategies Conference」で、聴衆(約250人のインフラとオペレーション〔I&O〕担当リーダー)にアンケート調査をした。「今後1年間に最も投資する可能性が高い技術」について尋ねたものだ。選択肢として、ユニバーサルZTNA(ゼロトラストネットワークアーキテクチャ)、NetDevOps、MCNS(マルチクラウドネットワークソフトウェア)、SASE(セキュアアクセスサービスエッジ)、サービスとしてのネットワーク(NaaS)の5つを用意した。回答結果を以下に示す。
「2023年はSASEの年」とまでは言わないが、SASEの存在感は本当に大きくなっている。Gartnerでは、2025年までに、SD-WANは単一ベンダーのSASE製品の一部として購入される割合が50%になるとみている。この割合は、2021年には10%に満たなかった。ただし、多くの企業はさまざまな理由(更新/交換サイクルの不一致、サイロや機能レベルなど)から、デュアルベンダーソリューションを好みそうだ。
そのため、私たちは2025年までに、企業の65%がSASEの個々のコンポーネントの調達先を、自社と明確なパートナー関係にある1社または2社のSASEベンダーに集約するとみている。2021年には、こうした企業の割合は15%にとどまっていた。「最終的には、魅力的なSASE製品を提供できないネットワークおよびセキュリティベンダーは、2026年までにニッチな市場に追いやられてしまうだろう」と、考えている。
最後にもう一つ重要なことを。私は、CLI(コマンドラインインタフェース)をメインインタフェースとして使用するネットワーク運用チームの割合について、過去に予測したが実現しなかったことがあるが、これに懲りずに、引き続き挑戦していきたい。2025年までに25%の企業は、ネットワーク処理の半分以上を自動化するとみている。この割合は、2022年初めには8%に満たなかった。
出典:Networking Investments for 2023 and Beyond(Gartner Blog Network)
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筆者 Andrew Lerner
VP Analyst
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