I&Oリーダーが2023年に立てるべき10の目標例:Gartner Insights Pickup(294)
I&Oリーダーは今後12カ月を見据えて、どんな目標を立てればよいのだろうか? 10の目標例を紹介しよう。
ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。
新しい年の始まりには、希望を持ち、前向きな気持ちになることが多い。それは将来に期待し「自分が改善できることは何か」を考える時だ。ITインフラとオペレーション(I&O)のリーダーは今後12カ月を見据えて、どんな目標を立てるべきか? 私の答えは以下の通りだ。
1.最新の技術トレンドに精通する
業界のブログを読んだり、カンファレンスに参加したり、新興技術にアンテナを張ったりすることで、定期的に最新の知見を得ることに力を注ぐ。I&Oリーダーとして、技術投資や技術戦略に関する十分な情報を得た上で意思決定をするには、技術分野の最新動向を常に把握することが不可欠だ。
2.ビジネス部門とのコミュニケーションやコラボレーションを促進する
ビジネス部門と密接に連携し、オープンなコミュニケーション、透明性、信頼を促進するとともに、I&O戦略を組織のニーズと2023年の目標に合致させ、前向きで生産的な仕事環境を構築する。
3.「待ち」の姿勢にならず、より積極的に
先頭に立って需要を探り、ビジネス部門と協力し、ニーズや要求を先取りして実現する。未来のインフラが新しいサービスやビジネス価値の提供にどのように役立つかを理解する。
4.I&O人材を有効活用する
適切なスキルを持つI&O人材を、適材適所に配置するよう努める。I&Oチームが最新の技術や業界のベストプラクティスに精通するよう奨励し、トレーニングや専門能力開発の機会を提供することで、継続的に学習する文化を醸成する。
5.I&Oリスクを軽減する
I&Oチームが業界標準のセキュリティプラクティスに従うようにし、I&Oの可用性、信頼性、パフォーマンスの目標を達成させ、組織のディザスタリカバリー計画と事業継続計画を最新に保ち定期的にテストする。また、既存のギャップや問題については、必ず伝えて対処する。
6.コストを管理し、無駄を排除する
エネルギーコストの高騰やインフレ率の上昇、地政学上の課題、長引くサプライチェーン問題など、経済的な逆風に耐える。
7.IT資産やサービスを「プロダクト」として管理する
「プロジェクト」や「ITサービス」ではなく、「プロダクト」として管理する。「プロダクト」はよりダイナミックであり、反復的でアジャイル(俊敏)な方法で管理される。また、ビジネスの機能や成果に直結される。
8.自動化とプラットフォームエンジニアリングを加速する
プラットフォームエンジニアリングの規律を導入し、セルフサービスのハイブリッドデジタルインフラを構築する。オンプレミスやクラウド、コンテナ、エッジにわたるI&Oプラットフォームの構築を促進する。I&Oプラットフォームは、自動化とガバナンスを段階的に強化し、I&Oプラットフォームを継続的に改善するプロダクト中心のアプローチとアジャイル手法により、継続的に改善する必要がある。
9.サステナビリティ(持続可能性)を優先する
エネルギー効率の高い技術とプラクティスを導入し、組織のITインフラが環境に与える影響を最小限に抑える機会を探す。
10.イノベーションの文化を育む
I&Oチームに、既成概念にとらわれずに考え、技術によってビジネスの価値を高める創造的なアイデアを生み出すことを奨励する。新しい技術を発見、活用し、それらを既存のI&O機能に統合する戦略の立案を促すとよい。
これらが、2023年にI&Oリーダーが立てるべき最も重要な目標だろう(もちろん、私の意見だ)。ただし、これらの目標を守れるかどうかは、また別の話だ。
出典:Top 10 New Year’s Resolutions for I&O Leaders in 2023(Gartner Blog Network)
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筆者 Henrique Cecci
Senior Director Analyst
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