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Red Hat、RHELのリリース方針を変更 「CentOS Stream」のリポジトリが唯一の公開場所に顧客やパートナーは従来通りアクセス可能

Red Hatは、「CentOS Stream」が今後、「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)関連のソースコードを公開する唯一のリポジトリになると発表した。

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 Red Hatは2023年6月21日(米国時間)付けの公式ブログ記事で、「CentOS Stream」が今後、同社の企業向けLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)関連のソースコードを公開する唯一のリポジトリになると発表した。

 Red Hatの顧客とパートナーはサブスクリプション契約に従って、顧客とパートナー向けのポータルでRHELのソースコードに引き続きアクセスできる。

 Red Hatは今回の変更について「CentOS Project、CentOS Stream、あるいはCentOS StreamやCentOSのさまざまなSIG(Special Interest Group)のソースコード提供に関する変更を意味するものではない」と強調している。

 Red Hatが2019年に発表したCentOS Streamは、RHELにおける将来のメジャーリリースのベースとなる「Fedora Project」と、実稼働レベルの安定性を提供するRHELとの中間に位置付けられているディストリビューション。

 Red Hatは、RHELの開発プロセスで重要な役割を担うアップストリームプロジェクトであるFedora ProjectとCentOS Streamについて、次のように説明している。

  • Fedora Project:OSのイノベーションの最先端に貢献しようとする開発者向けのコミュニティープロジェクト。多くのオープンソースコミュニティープロジェクトから出された最適なアイデアをまとめ、イノベーションを推進する
  • CentOS Stream:RHELの次期リリースの機能を検証するとともに、独自のハードウェアやソフトウェアに対応した変更を加える必要があるISV(独立系ソフトウェアベンダー)やIHV(独立系ハードウェアベンダー)などのエコシステム開発者向けのコミュニティープロジェクト

 Red Hatは「CentOS Streamコミュニティーが成長し、エンタープライズソフトウェアの世界が新たなダイナミクスに取り組む中、われわれはエンタープライズLinuxイノベーションのバックボーンとして、CentOS Streamに一段と注力していきたい。CentOS Streamへの投資を継続し、コミットメントを強化していく」と述べている。

 ブログ記事の説明によると、Red Hatは、CentOS Streamのリリース前、RHELのパブリックソースコードをCentOS Projectのリポジトリ(git.centos.org以下のリポジトリ)にプッシュしていた。CentOSプロジェクトがCentOS Streamを中心としたものに移行し、RHELのダウンストリームで「CentOS Linux」(RHELのクローンOS)がビルドされなくなっても、Red Hatはこれらのリポジトリを維持した。

 だが「CentOS Streamに関する取り組みや、エンジニアリングレベルの投資および顧客やパートナーのために取り組んでいる新たな優先事項を考慮すると、CentOS Streamとは別個のリポジトリを維持することは効率が悪くなった」と、Red Hatは述べている。

 RHELのクローンOSには「AlmaLinux」「Rocky Linux」「Oracle Linux」「MIRACLE LINUX」などがある。RHEL関連のソースコードが今後はCentOS Streamからのみ入手可能になることで、これらのディストリビューションにどのような影響が及ぶのかが注目される。

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