プロジェクトが終わり、システムが動いている。こんなにうれしいことはない:Go AbekawaのGo Global!〜Theint Kaythi San(後)(2/2 ページ)
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回もSGシステムのエンジニア、Theint Kaythi San(ティン・ケイティー・サン)さんにお話を伺う。日本の長所を聞くと、悩みながら「安全なのが良いところ」と答えた。では改善すべきところとは?
「安全」が一番! 後は会議が少なくなれば……
阿部川 来日して約7年。日本で暮らしていて、日本のここがいいなと思うところはありますか。
ティンさん いっぱいありますけど、どれか1つというなら「安全なところ」ですね。ミャンマーでは、夜何時以降は外に出てはいけない、という決まりがあるくらい危ないところがあります。日本ではそういう決まりもないし、危険を気にせずにいられます。働く環境としても自分にぴったりだと思っています。そういうところが、日本でずっと仕事したい、日本にずっと住みたいと思わせてくれるところです。
阿部川 逆にここはちょっと直した方がいいんじゃないか、というところはありますか。
ティンさん 曖昧なことですね。ノーだったらノー、イエスだったらイエスと(言ってほしい)。相手の回答がイエスでもノーでもないときに、ちょっとやりづらいな、という部分はあります。相手の回答を見てこっちが動かないといけないので。
阿部川 なるほど。コミュニケーション以外ではどうでしょうか。技術的なこととか、仕事の進め方に関することとか。
ティンさん 開発業務に携わってまだ2年ぐらいなので、まだ技術面で言えることはないですね。あえていうなら、必然性が分からないミーティングが多いように思います。エンジニア向けではなかったり、今の段階ではまだいらない情報の共有だったり。そういうミーティングがなくなったら、作業の効率が良くなるでは、と未熟者ながら感じます。
阿部川 鋭いですね。実は「日本の企業はミーティングばかりしている」とずっと問題になっていまして。ミーティングをしていると仕事した気になるので注意しないといけませんよね。
編集 鈴木 ちなみに、仕事と関係ない話で恐縮ですが、ミャンマーのおすすめの食べ物を教えてもらえますか。
ティンさん いいですよ(笑)。「モヒンガー」という麺料理があります。日本でいうとラーメンのような感じで、魚と豆から作ったスープにそうめんが入っています。ミャンマーでは有名で、私も好きな食べ物の一つです。ぜひ食べてみてください。日本では、高田馬場当たりにミャンマーのお店がたくさんありますよ。
Go’s thinking aloud
TOEICは820点、日本語能力試験は最も難易度が高いN1を取得し、韓国語の検定でも上位の段位を持つ。そして日本の古典に興味があるという。学ぶ理由が納得できさえすれば、後はただひたすら学ぶのみ。学べば実力が必ずついたが、「数学は得意ではなかった」。だが、むしろ得意ではなかったからこそ、自分の代わりに数学をやってくれることを期待して、コンピュータを学んだ。
ここでも学ぶ理由が納得できたからあとは学ぶのみ。Java、PHP、Python, Ruby……代表的なコンピュータ言語を次々と踏破していく。言語の学習と数学的考え方が、ここでついに出会ったか。数学が不得意というのは遠い昔になり、初心通り、コンピュータを道具として駆使し、サービスを提供する側に回った。学んだことを、直線的にスキルするのは実は難しい。それをいともたやすくやってのけている(ように見える)ところが、またすごかった。
関連記事
- アジャイル開発をウオーターフォール開発と比較して、向き不向きやメリデメを把握しよう
IT用語の基礎の基礎を、初学者や非エンジニアにも分かりやすく解説する本連載、第9回は「アジャイル開発」です。ITエンジニアの学習、エンジニアと協業する業務部門の仲間や経営層への解説にご活用ください。 - 世界の開発者が注目する言語の2位は「Java」「Python」、では1位は? 166カ国約2万6000人が回答
Slash Dataが発表した開発者動向レポートの最新版「24th edition of State of Developer Nation」は、携わっている分野や収入、使用しているプログラミング言語、APIの種類、組み込みソフトウェア市場といったテーマに沿って調査結果をまとめた。 - 「日本企業のテクノロジー活用度は江戸時代レベル」――ガートナーが語る“IT維新”のヒント
クラウドコンピューティングという言葉が登場して15年以上が経過した今も、クラウドは「コスト削減」の手段と見なされ、経営とITの分断が起きている。デジタルの戦いに国境はない以上、このままでは国力低下をも加速させかねない。本稿ではガートナージャパンの亦賀忠明氏に、アイティメディア統括編集長の内野宏信がインタビュー。ITに対する認識を持ち直すトリガーとして「Newオンプレミス」に着目しつつ、ビジネス=システムの在り方、それに携わるIT部門の役割、今目指すべきステップを聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.