Threadsは既にオワコン? だがそれがいい……と、ヘビーユーザーが思うワケ:開始から5日で1億ユーザーを突破も……
米Metaの新SNS「Threads」のアクティブユーザーが2週間で7割減ったとのこと。「オワコンになるのが早すぎる」「早速過疎ってる」。そんな声も聞こえてきますが、Threadsヘビーユーザーの筆者はむしろ「しめしめ」と思っています。
「Threadsが早速オワコンに」と一部で話題になっています。
Threadsは、Twitter(「X」になりましたが)の移行先と期待された米Metaの新SNSです。2023年7月6日にリリースされると急伸し、開始から5日で1億ユーザーを突破するという、かつてない伸び方をしました。Instagramのアカウントを使うため、Instagramのユーザーがそのまま簡単に利用できたことが背景にあります。
でも、盛り上がりは長く続きませんでした。The Wall Street Journalの記事によると、Threadsのアクティブユーザーは7月7日のピーク以来、2週間で7割減ったとのこと。アカウントだけ作り、利用しなくなったユーザーが多いようです。
「オワコンになるのが早すぎる」「早速過疎ってる」。そんな声も聞こえてきますが、Threadsヘビーユーザーの筆者はむしろ「しめしめ」と思っています。SNSは、ブームが去ったほうがいい、注目されないほうが使い心地がいいと思っているからです。
Threadsは、Twitterのやり直し
筆者はThreadsを初日に始め、いまも毎日使い続けていますが、Twitter(X)と違って、構えずにつぶやけるのが最大のメリットだと感じています。
筆者のTwitterは、約2万5000人のフォロワーがいることもあり、気軽につぶやけなくなってしまいました。つぶやきが“炎上”したこともありますし、何気ない投稿を批判、批評されることもあるため、「大丈夫だろうか」と考えてから投稿するようになりました。
Twitterを始めた15年ぐらい前(!)は、「おはよう」「お腹すいた」とか、本当にどうでもいい日常をつぶやいていたのですが、今はそのような場ではなくなっています。日常をシェアする人は少なく、ニュースを共有、議論したり、ネタや漫画を投稿したりする人が目立ち、「流れてきたものをどう批判してやろう」と構える一触即発の荒野になっているようにも感じます。
00年代から個人サイトや掲示板を作り、mixiでネットにハマった私は、ネットに何気ないフラットな交流を求めていました。ただ、ネットユーザーが増える中で、「インフルエンサーとファン」の上下関係が強くなったり、著名人の足をすくおうと失言を待ち構える人も増え、何気ない交流はどんどん難しくなっていきました。
そこにやってきたのがThreadsです。
私に興味がある人だけがフォローしてくれ、(Twitterと比べると)小さなコミュニティーであるThreadsでは、“Twitterのやり直し”ができました。何気ない日常を投稿するたびに、優しい「いいね」がもらえる。現代のネット砂漠で枯れ切った承認欲求が満たされる音がします。
Threadsはオワコンだから良い
Threadsは、Webから書き込みできないこと、APIに対応していないこともポイントです。TwitterにはあってThreadsにはないこれらの機能、不便だとも言われていますが、炎上ウォッチャーやマスコミが張り付きに来づらいというメリットがあります。
それもあってか、芸能人やスポーツ選手などが、ThreadsではInstagramやTwitterよりも自由につぶやいてくれています。Twitterと比べてまだまだ規模が小さくブームも落ち着いたと思われているので、“外野”のユーザーがやってきて荒らすこともありません。
これが、Webからも使いやすくなってしまったり、ブームになってしまうと、著名人の発言をマスコミがウオッチして逐一記事にするようになるでしょうし、外野からの“クソリプ”も付きやすくなるでしょう。それを嫌がる著名人は、口をつぐんで去ってしまうかもしれません。
また、ブームが盛り上がると、スパムや業者アカウントが激増すると思われます。Threadsも開始当初はスパムがとても多かったのですが、Metaが途中で対策を講じたことにより抑制されました。今後ブームが煽(あお)られたり、WebやAPI対応したりすると、業者も投稿しやすくなり、スパムが激増すると思われます。
Threadsは「Webなし、APIなし、スマホのみ」だからこそ、ユーザーの日常のそばにあり続けるのだと思います。ちょっと不便で、仕事場からは使いにくいけど、手があいたときにチラっと見て、いいねを押して、ちょっとつぶやく。この距離感がちょうどいい。
でも、ブーム、来てるかも
今は“ちょうどいい”Threadsですが、ここ数日は、再ブームの兆しを感じます。Twitterが突然「X」になるなど、動きが荒すぎることもあり、Threadsに“避難”するユーザーが増えているようなのです。
Threadsの緩くて温かい雰囲気はいつまで続くのか。その命運は、「Twitter(X)がどこまで延命するか」にかかっているような気もしています。Twitterが頑張ってくれれば、Threadsがメインメディアになりにくく、生暖かいままでいられるような気がするからです。
というわけで、頑張れX!
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