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世界のスマートフォン販売台数のシェア99%を2社のOSが独占――Linux Foundationがモバイル業界に警鐘「オープンエコシステムでイノベーション促進と市場競争の活性化を」

Linux Foundationは、「モバイル業界の新たな方向性:オープンで透明性の高いモバイルソフトウェアの作成」と題するレポートを発表した。

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 Linux Foundationは、2023年9月25日(米国時間)、「モバイル業界の新たな方向性:オープンで透明性の高いモバイルソフトウェアの作成」と題するレポートを発表した。このレポートは、モバイル技術のツール、フレームワーク、API、インフラストラクチャ、データセットといったあらゆるレベルにおいて、オープンソースがどのようにオープン性を高めているかの理解を深めることを目的として制作された。

 「今日のデジタル時代において、オープンエコシステムは一貫して、クローズドエコシステムに対する大きな優位性を実証してきた」(Linux Foundation)

 Linux Foundationはオープンエコシステムには、主に次のような利点があるとしている。

  • イノベーションの促進
  • コラボレーションの強化
  • 効率性
  • 業界標準と相互運用性の促進
  • 進化する市場への適応性

 このレポートは、現在のモバイルエコシステムに影響を及ぼしている問題の概観を示し、オープンソースがこの分野でより大きなイノベーションの機会を創出できるということを強調している。

 Linux Foundationのプロジェクト担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるマイク・ドラン氏は「この報告書は、イノベーション、コラボレーション、そしてモバイル技術の明るい未来を推進する上で、オープンソースの原則の重要性を強調するものだ」と言及している。

Linux Foundation レポートの主要な調査結果

 レポートから得られた主な調査結果は次の通り。

イノベーションの減速

 スマートフォンのイノベーションは減速しており、それに伴い販売台数も低迷している。この停滞は、キャリアやコンテンツプロバイダーなど、モバイルエコシステムのあらゆる参加者に悪影響を及ぼす。

2社独占

 モバイル業界は、全スマートフォン販売台数の99%のシェアを2社のOSが占めている。両社のアプリストアは、ダウンロードされたアプリの主要な供給源となっており、両社の優位性と市場競争が不足している状況を浮き彫りにしている。

グローバルな規制への対応

 オーストラリア、インド、日本、メキシコ、韓国、英国、米国を含む複数の国が、より競争力のあるモバイル市場を育成するための新たな規制を積極的に策定している。

直面する課題

 モバイルに関する意思決定者は、ベンダーの囲い込み、柔軟性に欠ける契約条件、新しいアプリやモバイル機器の開発に伴う高いコストとリスクなど、数多くの障害に遭遇している。よりオープンなモバイルエコシステムは、市場アクセシビリティーを向上させると同時に、イノベーションのための新たな道を開く。

オープン化の要請

 モバイル業界は、イノベーションを促進し、新規参入を歓迎し、セキュリティを確保し、差別化の余地を許容する、よりオープンなエコシステムを構築する必要がある。

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