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ITリーダーの85%がオブザーバビリティを戦略的優先事項に Ciscoの調査「事後対応型」から「プロアクティブ型」への進化は急務

Ciscoは、ITリーダーの85%がオブザーバビリティを戦略的優先事項に挙げたとの調査結果を発表した。

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 Cisco Systemsは2023年10月27日(米国時間)、「The Age of Application Observability(アプリケーションのオブザーバビリティの時代)」と題したレポートを発表した。

 現代のITチームは、複雑なデジタル環境を管理するための分岐点に立たされており、分断されたIT領域やツールの乱立といった問題を抱える中で、顧客やエンドユーザーからの完璧でパフォーマンスと安全性の高いデジタルエクスペリエンスを提供することが求められている。こうした状況下で、オブザーバビリティ(可観測性)の取り組みは重要な解決策の一つとして注目されていると、Ciscoは述べている。

なぜオブザーバビリティに取り組むべきなのか

 同レポートによると、ITリーダーの85%が、可観測性を戦略的優先事項と考えている。ビジネスを支えるアプリケーションやシステムから得られるテレメトリーデータを用いることで、ITシステムの状態を深く理解し、洞察を得ることができる。

 Ciscoは、可観測性に取り組むことで、組織を事後対応型からプロアクティブ型に進化できるとする。

 「組織はデジタルエクスペリエンスを混乱させるシナリオが発生する前に、人間の介入なしに根本原因を特定し、優先順位に基づいて対応できるようになる」

 同レポートの回答によると、可観測性が組織やプロセスの間で見解を一致させるために不可欠であり、多くのチームが可観測性に時間とリソースを投資する必要があると考えている。

 レポートの回答者の約半数(44%)は、新しいイノベーションへの取り組みがクラウドネイティブ技術で実現されていると考えており、その割合は今後5年間で58%に上昇すると予測する。その反面、83%の回答者が、クラウドネイティブ技術が主要な理由となって複雑さが増していると答えている。

 そうした中で回答者の多くは、可観測性がこの複雑性の解決に役立つという点で一致しており、企業が抱えている課題は共通していたことも明らかになった。

  • 92%がハイブリッド環境は定着すると考えている
  • 78%がデータ量の増加により、手作業が必要としている
  • 81%がクラウドのコストは徐々に上昇しており、クラウド投資には監視の強化が必要だと感じている

 ビジネスリーダーは、可観測性への取り組みの重要性を強く認識しており、順調に進めている段階だ。89%の組織が可観測性の取り組みによる成果を期待しており、可観測性の取り組みを推進させていると、Ciscoは述べている。

ツールを増やすのではなく適切なツールに投資することが重要

 監視(モニタリング)は可観測性ではないが、調査回答者の64%は、可観測性ソリューションと監視ソリューションを区別するのが難しいと感じている。

 多くの組織がサービスやリーチの拡大をサポートするために、多くの監視ツールを導入している。だが、オンプレミスで構築したアプリとクラウドネイティブなアプリの監視に別個のツールを導入している。今後は統合、簡素化、転換、自動化を支援する可観測性ソリューションに投資する必要があると、Ciscoは述べている。

 またビジネスを考慮した可観測性に焦点を当てることで、ビジネスと技術の間のギャップがなくなり、コミュニケーションが変化するとも指摘している。

 レポートによると、ビジネスのコンテキストに合わせた可観測性が提供されると、回答者の88%が戦略的な意思決定を推進し、イノベーションに専念するための時間を増やすことができると回答している。

プロセスを調整する

 ビジネスの成功には適切なツールが必要だが、ツールを支える部門の構成や人員配置、リソースの分配といったプロセスを変更することも必要だ。

 レポートによると、回答者の80%が、マルチクラウドおよびハイブリッド環境の管理によるサイロ化の増加を指摘し、IT運用チームとセキュリティチームで継続的に協働できていると報告したのは31%にとどまった。回答者の36%が、プロセスの変更がIT人材の喪失につながっていると考えており、IT領域およびビジネス領域のサイロ化を打開する方法を見つけなければ、この傾向は続くと述べている。

 Ciscoは、これらの問題の解決策の一つである可観測性に取り組むことは、デジタル変革の推進に役立つと指摘している。

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