検索
ニュース

Dockerが2023年に公開した新機能、拡張機能をおさらい ソフトウェアサプライチェーン管理の簡素化など強化追加された拡張機能数は20個

Dockerは、2023年における同社のハイライトとして、主な性能向上、ソフトウェアサプライチェーン管理の簡素化、20個の新しいDocker拡張機能、主な新機能を紹介した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 Dockerは2023年12月20日(米国時間)、「Docker 2023: Milestones, Updates, and What’s Next」(Docker 2023: マイルストーン、アップデート、今後の展望)と題したブログ記事を公開し、同社の2023年のハイライトを紹介した。

 Dockerはまず、2023年にリリースした「Docker Desktop 4.16」〜「Docker Desktop 4.26」の各バージョンの主な機能強化点を挙げ、さらに以下のように、2023年におけるDockerのパフォーマンスのマイルストーン、ソフトウェアサプライチェーン管理の簡素化、20個の新しいDocker拡張機能、Dockerの主な新機能を紹介している。

Dockerのパフォーマンスのマイルストーン

 Dockerは、2023年のパフォーマンスのマイルストーンとして以下を挙げている。

  • Docker Desktopの起動時間が75%改善した
  • コンテナイメージのアップロード速度が85倍向上した
  • コンテナイメージのダウンロード速度が650%向上した
  • Redisのビルドにかかる時間が71%短縮された
  • 「Resource Saver」モードの導入により、Dockerデスクトップユーザーが毎日3万8500 CPU時間を節約できるようにした

ソフトウェアサプライチェーン管理の簡素化

 Dockerは、2023年10月に一般提供を開始した「Docker Scout」により、開発者のソフトウェアサプライチェーン管理を簡素化した。Docker Scoutポリシーを使用することで、チームはソフトウェア品質の問題を作成時点で特定、優先順位付け、修正できる。これにより、組織の信頼性とセキュリティの基準を満たしながら、実行とイノベーションのスピードを加速することが可能だ。

20個の新しいDocker拡張機能

 2023年には、20個の新しいDocker拡張機能が「Docker拡張機能マーケットプレース」に追加された。その一部を以下に示す。

  • Kubescape:IDE、CI/CD(継続的インティグレーション/継続的デリバリー)パイプラインおよびクラスタ用のオープンソースの「Kubernetes」セキュリティプラットフォーム
  • NebulaGraph:グラフサービス、ストレージサービス、メタサービスで構成されるオープンソースのクラウドネイティブグラフデータベース
  • Gefyra:Kubernetesを使用したDockerベースの開発を容易にする包括的なオープンソースツールキット
  • LocalStack:オープンソースのクラウドサービスエミュレータ。「Amazon Web Services」(AWS)クラウドおよびサーバレスアプリケーションを開発、テストするための完全に機能するローカルクラウドスタックを提供
  • Grafana Cloud:クラウドネイティブ環境に最適化した、フルマネージドのクラウドホスト型オブザーバビリティプラットフォーム

Dockerの新機能

 Dockerは2023年に、以下のような発表を行った。

Docker Build早期アクセスプログラム

 Docker Buildは、大規模なオンデマンドのクラウドベースサーバとチーム全体のビルドキャッシュを自動的に活用し、ビルドを最大39倍高速化する。

Resource Saverの一般提供を開始

 Resource Saverを使用すると、Docker Desktopがアイドル時に使用するシステムリソースが最小限に抑えられる。そのため、ノートPCのバッテリー寿命を節約でき、マルチタスク体験が向上する。

Docker Compose Watchの一般提供を開始

 Compose 2.22以降で利用可能なウォッチを使用すると、コードを編集、保存するときに、実行中のComposeサービスを自動的に更新およびプレビューできる。

Docker Initのβ版をリリース

 Docker Initは、β機能として導入された新しいコマンドラインインタフェース(CLI)コマンド。Dockerをプロジェクトに追加するプロセスを簡素化する。

Docker+Wasmテクニカルプレビュー2をリリース

 Docker+Wasmの新しいテクニカルプレビューでは、Fermyonの「spin」、Deislabsの「slight」、Bytecode Allianceの「wasmtime」の3つの新しいランタイムが提供される。

ビルドビューの一般提供を開始

 Docker Desktopの新しい[Builds]ビューにより、ビルドのパフォーマンスと使用状況を詳細に把握できるようになった。実行中のビルドのライブビューを取得し、以前のビルドパフォーマンスを調べ、エラーとキャッシュの問題を深く掘り下げることができる。

OpenPubkeyを使用したDocker公式イメージの署名

 OpenPubkeyは、BastionZeroとDockerが共同で開発し、最近オープンソース化され、Linux Foundationに寄贈されたプロジェクト。OpenPubkeyを、Docker Official Images(DOI)の署名ソリューションの一部として使用する意向を発表した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

[an error occurred while processing this directive]
ページトップに戻る