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Redisに代わるデータストア、Valkeyを立ち上げ Linux FoundationRedisライセンス変更に対応、BSDライセンスで配布を継続

Linux Foundationが「Redis」に代わるオープンソースプロジェクトValkeyプロジェクトを発足した。ValkeyはRedis7.2.4の開発を継続し、データストアとして開発される。

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 Linux Foundationは2024年3月28日(米国時間)、インメモリNoSQLデータストア「Redis」に代わるオープンソースプロジェクト「Valkey」の立ち上げを発表した。プロジェクトのコントリビューターは、Redisが2024年3月に発表したライセンス変更に対応するために、メンテナー、コミュニティー、企業のサポートを集め、再編成を実施した。ValkeyはRedis 7.2.4の開発を継続し、3条項BSD(3-clause Berkeley Software Distribution)ライセンスの下でプロジェクトの使用と配布を認めていくこととなった。

 Redisプロジェクトは2009年に設立されて以来、多くの開発者が開発に貢献してきた。多くの開発者が、リアルタイムデータ分析、セッションストア、メッセージブローカーおよびその他の多くのユースケースにおいて、Redisをキャッシュとして、およびバックエンドデータベースを代替する低レイテンシで高スループットなデータストアとして、 使用している。2023年に実施されたスタックオーバーフローの開発者調査では、Redisは最も使用されているデータベースの第6位にランクインし、最も称賛されているデータベースのトップ3に入った。

 このテクノロジーを継続的に改善し、プロジェクトを自由に配布できるよう、Linux FoundationはValkeyという高性能キーバリューストアを立ち上げた。ValkeyはLinux、macOS、OpenBSD、NetBSD、FreeBSDプラットフォームをサポートする。さらに、より信頼性の高いスロットマイグレーション、クラスタリングシステムのスケーラビリティと安定性の向上、マルチスレッドパフォーマンスの改善、トリガー、新しいコマンド、ベクトル検索のサポートなどの新機能を含む既存のロードマップに引き続き取り組む。

 Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud、Oracle、Ericsson、Snapなどの企業がValkeyをサポートしている。これらの企業は、誰もがプロジェクトの恩恵を受けることができるように、プロジェクトの長期的な健全性と実行可能性をサポートし、貢献することに重点を置いているという。

 Linux Foundationは、Valkeyがオープンなガバナンスモデルを採用し、コミュニティー主導の下、全てのユーザーとコントリビューターを歓迎するとしている。プロジェクトは既に、Redisの元コントリビューター数名からなる技術リーダーシップ委員会を結成しており、さらに何百人ものコミュニティーメンバーがValkeyをサポートする意思を表明しているという。

 Redisの元メンテナー、Valkeyの共同設立者で、AWSのプリンシパルエンジニアのマデリン・オルソン氏は次のように語る。「私はRedisに6年間携わり、そのうち4年間はコアチームメンバーの一人として、Redisのオープンソース化をバージョン7.2まで推進してきた。私はオープンソースソフトウェアを非常に重視しており、今後も貢献したいと考えている。Valkeyを設立することで、これまでコントリビューターたちが続けてきた作業や取り組みを継続し、活気に満ちたオープンソースコミュニティーに貢献できる環境を継続できる」

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