Docker、開発者のAI利用動向レポートを発表 AIを脅威視する開発者は少数派:開発プロセスにAIが浸透
Dockerは、開発者がどのようにAIを導入、利用しているかを調査したレポート「Docker AI Trends Report 2024」を発表した。
Dockerは2024年4月16日(米国時間)、開発者がどのようにAI(人工知能)を導入、利用しているかを調査したレポート「Docker AI Trends Report 2024」を発表した。
Dockerは毎年、Dockerユーザーを中心とした開発者調査「Docker State of Application Development Survey」を実施し、その結果を年次レポート「State of Application Development Report」として発表している。Docker AI Trends Report 2024は、その調査結果のうち、AIに関連する部分を先行してまとめたものだ。
同調査は、2023年終盤に世界中の約1300人の開発者を対象に実施され、885人が回答した。今回発表されたレポートは、885人の回答に基づいている。
Docker AI Trends Report 2024は、AIがアプリケーション開発にもたらす変革的な影響と、開発プラクティスの新たな改善機会を明らかにしている。同レポートは、AIがソフトウェア開発の中心的存在になるにつれて、業界全体で、よりインテリジェントで効率的な、適応性の高い開発手法へのシフトが進んでいることを反映していると、Dockerは述べている。
調査結果のハイライト
AIの幅広い導入
回答者の64%がコーディング、文書化、調査などの作業にAIを利用しており、開発プロセスへのAIの深い浸透を浮き彫りにしている。
AIは脅威ではない
AIを「仕事の脅威」と見なしたり、AIが「仕事を複雑化している」と考えたりする回答者は少ない(前者が23%、後者が19%)。
AIに対する認識
回答者の65%がAIを肯定的に捉えており、「仕事のプロセスが簡単になる」(61%)、「重要な仕事に集中できる」(55%)といった理由が挙げられている。だが、AIをもてはやす風潮に対する警戒感もあり、回答者の45%が、AIが業界で過度に強調されている可能性があると感じている。
日常的な開発活動におけるAI
開発者は主にコーディング、文書化、調査にAIを利用しており、開発サイクルの重要な側面を最適化する上でのAIの役割を強調している。回答者の64%が仕事にAIを使用しており、主な目的としてコーディング(33%)、文書化(29%)、調査(28%)、テスト作成(23%)、トラブルシューティング/デバッグ(21%)が挙げられている。
AIへの依存度の上昇
バックエンドおよびフルスタック開発者では、経験が浅い層(経験5年以下)の方が豊富な層と比べて、「AIへの依存度が著しく高まっている」と答えた割合が高い(前者は10人中約4人、後者は同2.5人)。次世代の開発者や専門技術職の間で、AIへの依存度が高まっていることを示している可能性があると、Dockerは分析している。
選ばれているAIツール
開発者の間で最も利用されているAIツールは、「ChatGPT」(46%)、「GitHub Copilot」(30%)、「Google Gemini」(旧Bard)(19%)だった。
調査回答者の概要
885人の調査回答者のうち、小規模企業(従業員数100人未満)の勤務者が42%、中規模企業(従業員数100人以上1000人未満)の勤務者が28%、大規模企業(従業員数1000人以上)の勤務者が25%だった。
回答者の36%がバックエンドおよびフルスタック開発者、21%がDevOps担当者、インフラ管理者、またはプラットフォームエンジニア、4%がフロントエンド開発者。機械学習(ML)エンジニアとデータサイエンティストの割合は8%となり、前年調査の1%から大幅に上昇した。
また、経験年数6年以上が54%、5年以下が46%だった。
勤務先の業種は、コンピューティングまたはIT/SaaSが34%以上、会計、銀行、金融が8%、ビジネス、コンサルティング、管理が7%、エンジニアリングまたは製造が6%、教育が5%となっている。
なお、Dockerユーザーは回答者の87%を占め、13%がDockerを使用していないと答えた。
Dockerの年次調査結果全体をまとめたレポート「State of Application Development Survey 2024」(アプリケーション開発の現状に関する調査 2024)は、2024年5月に発表が予定されている。
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