OpenAI、「ChatGPT」のデータ分析機能強化を発表 表やグラフの操作に対応、「Googleドライブ」「OneDrive」からファイル追加も可能に:「Plus」「Team」「Enterprise」プランユーザー向けに順次提供開始
OpenAIは「ChatGPT」のデータ分析機能の強化を発表した。表やグラフを操作したり、「Google ドライブ」や「Microsoft OneDrive」からファイルを直接追加したりできるようになるという。
OpenAIは2024年5月16日(米国時間)、「ChatGPT」のデータ分析機能の強化を発表した。表やグラフを操作したり、「Googleドライブ」や「Microsoft OneDrive」からファイルを直接追加したりできるようになる。
強化されたデータ分析機能は、新しい大規模言語モデル(LLM)である「GPT-4o」を通じて、ChatGPTの「Plus」「Team」「Enterprise」プランのユーザー向けに順次提供されるという。
強化されたデータ分析機能の主な特徴
強化されたデータ分析機能は、自然言語でデータセットを理解し、タスクを完了するChatGPTの機能をベースに構築されている。ユーザーが1つ以上のデータファイルをアップロードすると、ChatGPTはPythonコードを書いて実行し、データを分析する。大規模データセットのマージやクリーニング、チャートの作成、洞察の発見など、さまざまなデータタスクを処理できる。初学者は詳細なデータ分析が可能になり、専門家は日常的なデータクリーニングタスクにかかる時間を節約できる。
GoogleドライブやMicrosoft OneDriveからファイルを直接追加
ファイルをダウンロードしてからChatGPTにアップロードするのではなく、GoogleドライブやMicrosoft OneDriveからさまざまな種類のファイルをChatGPTに直接追加できる。これにより、ChatGPTはGoogle Sheets(スプレッドシート)、Docs、Slidesや、Microsoft Excel、Word、PowerPointファイルをより迅速に理解できる。
リアルタイムでテーブルを操作
データセットを追加すると、ChatGPTはインタラクティブなテーブルを作成する。テーブル内の特定のエリアをクリックしてフォローアップの質問をしたり、ChatGPTが提案するプロンプトの中からどれかを選び、分析を掘り下げたりすることもできる。
例えば、ChatGPTに毎月の支出のスプレッドシートを追加し、支出タイプ別に分類されたピボットテーブルを作成するよう依頼できる。
プレゼンテーション用のグラフをカスタマイズ
棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ、散布図グラフをインタラクティブにカスタマイズし、操作できるようになった。グラフの要素にカーソルを合わせ、追加の質問をしたり、色を選択したりできる。準備ができたら、ダウンロードしてプレゼンテーションやドキュメントで使用できる。
例えば、自社の最新ユーザーデータを含むスプレッドシートをGoogleドライブから直接選択し、ChatGPTに、ユーザー属性別の定着率を示すグラフの作成を依頼できる。
包括的なセキュリティとプライバシー
OpenAIはミッションの中核として、ChatGPTの全機能において信頼とデータプライバシーの確保に取り組んでいる。ChatGPTのTeamプランとEnterpriseプランの顧客のデータは、トレーニングに使用しないとしている。Plusプランの顧客は、「Data Controls」の項目で、トレーニングへのデータの使用を拒否できる。
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