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Gartner、ソフトウェアエンジニアリングのテクノロジートレンドトップ5を発表開発者体験や生産性を向上させるテクノロジーとは

Gartnerは2024年以降のソフトウェアエンジニアリングにおける戦略的テクノロジートレンドのトップ5を発表した。

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 Gartnerは2024年5月16日(米国時間)、2024年以降のソフトウェアエンジニアリングにおける戦略的テクノロジートレンドのトップ5を発表した。

 Gartnerのバイス プレジデント アナリストのヨアヒム・ヘルシュマン氏は「Gartnerが発表したテクノロジートレンドは、アーリーアドプターがビジネス目標を達成する上で既に成果を挙げている。これらの革命的なツールやプラクティスにより、ソフトウェアエンジニアリングチームは、ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)における労力やストレスを減らし、開発者体験や生産性を向上させながら、高品質でスケーラブルなAI(人工知能)搭載アプリケーションを提供できる」と述べている。

 Gartnerが発表した戦略的テクノロジートレンドのトップ5は次の通り。

戦略的テクノロジートレンドトップ5

1.ソフトウェアエンジニアリングインテリジェンス

 ソフトウェアエンジニアリングインテリジェンスプラットフォームは、統合的なビューを通じて、エンジニアリングプロセスを可視化し、透明性を向上させる。リーダーがベロシティとフローだけでなく、品質、組織の有効性、ビジネス価値を理解し、測定するのに役立つ。

 ソフトウェアエンジニアリングインテリジェンスプラットフォームを使用する組織は2024年時点で5%にすぎないが、2027年までに50%の組織が導入するようになると、Gartnerは予測している。

2.AI拡張型開発

 AI拡張型開発とは、生成AIや機械学習(ML)などのAIテクノロジーを活用して、ソフトウェアエンジニアのアプリケーション設計、コーディング、テストを支援することだ。AI拡張型開発ツールは、ソフトウェアエンジニアの開発環境と統合され、アプリケーションコードの生成、設計からコードへの変換、テスト機能の強化に利用される。

 「AI拡張型開発への投資は、ソフトウェアエンジニアリングリーダーによる開発者の生産性向上とコスト管理を支援するだけでなく、チームの能力向上にも寄与する。チームはより多くの価値を提供できるようになるだろう」(ヘルシュマン氏)

3.グリーンソフトウェアエンジニアリング

 グリーンソフトウェアエンジニアリングは、炭素効率や二酸化炭素排出量に配慮したソフトウェアの構築に関する専門分野だ。グリーンソフトウェアの構築には、アーキテクチャやデザインパターン、アルゴリズム、データ構造、プログラミング言語、言語ランタイム、インフラストラクチャにおいて、エネルギー効率の高い選択が必要だ。

 2024年に「ソフトウェアの持続可能性」を非機能要件に含めた企業は10%未満だったが、2027年までにグローバルな大企業の30%が非機能要件に含めるようになると、Gartnerは予測している。

 「処理負荷の高いワークローを使用する組織では、二酸化炭素排出量が増加する。中でも、生成AI対応アプリケーションはエネルギーを大量に消費する。グリーンソフトウェアエンジニアリングの実装は、持続可能性の目標を達成するのに役立つ」(Gartner)

4.プラットフォームエンジニアリング

 プラットフォームエンジニアリングは、複数のプロダクトチームが使用できる内部開発者ポータル(IDP)やプラットフォームを通じて、開発者の認知負荷を軽減させる。これらのプラットフォームは、快適なソフトウェア開発環境を提供し、開発者の時間を節約するだけでなく仕事の満足度を向上させる。

 2026年までに大規模なソフトウェアエンジニアリング組織の80%がプラットフォームエンジニアリングチームを立ち上げるとGartnerは予測している。

5. クラウド開発環境

 クラウド開発環境は、設定や構成にかかる労力を最小限に抑えながら、クラウドでホストされた開発環境にリモートからすぐにアクセスできる。このように開発ワークスペースを物理的なワークステーションから切り離すことで、ストレスの少ない一貫した開発者体験を実現し、開発者のオンボーディングを迅速化する。

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