「オンプレミスを踏襲したAWS活用」から「クラウドネイティブ」へ 1日10回のリリースを可能にさせた「NewsPicks」のアーキテクチャ改善ステップ:コンテナ化はCI/CDの導入を、CI/CDはオブザーバビリティの導入を楽にする
「@IT Cloud Native Week 2024 冬」の基調講演に、ユーザベース NewsPicks事業 SRE Unit Leaderの安藤裕紀氏が登壇。AWSを利用しながらもオンプレミスを踏襲した構成となっていた同社で、クラウドネイティブなアーキテクチャへの改善の取り組みと、その過程で得られた知見を紹介した。
「@IT Cloud Native Week 2024 冬」に、ユーザベース NewsPicks事業 SRE Unit Leaderの安藤裕紀氏が登壇。「10年モノのサービス運用を楽にするクラウドネイティブなアーキテクチャ改善」と題し、「Amazon Web Services(AWS)」を利用しながらもオンプレミスを踏襲した仕組みになっていた同社で取り組んだクラウドネイティブなアーキテクチャへの改善と、その過程で得られた知見を紹介した。
サービス開始当初はAWSを利用しながらもオンプレミスを踏襲した仕組みに
ユーザベースが提供するソーシャル経済メディア「NewsPicks」は、さまざまな媒体のニュースをキュレーションする他、独自制作のコンテンツを掲載している。ユーザーがニュースにコメントできるSNS機能も有している。安藤氏は、SRE Unit Leaderとして、開発者体験の向上に取り組んでいる。
NewsPicksは2013年9月にサービス提供を開始しており、そのときからAWSを活用していた。一方、クラウドネイティブという言葉が登場する以前からクラウドを活用していたこともあり、オンプレミスを踏襲した仕組みが多く存在していたという。
「サービス開始当初はコンテナ技術が普及しておらず、マネージドサービスも新しい概念でした。そのため、NewsPicksでは主に『Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)』を中心とした構成でサービスを運用していました。当時は、EC2インスタンスが100台以上稼働しており、それぞれのVM(仮想マシン)管理も必要でした。データベースには『Amazon Aurora』や『Amazon DynamoDB』、ストレージには『Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)』などのマネージドサービスを活用することで、運用、管理負荷を軽減していました」(安藤氏)
高まる認知負荷と作業負荷、エンジニアのオーナーシップをどう維持するかも課題に
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