「Docker Desktop 4.35」リリース Docker Home pageやターミナルなどの機能追加で何が変わる?:ボリュームエクスポート機能が正式版に
Dockerは、Docker開発環境をさまざまなOS上に構築できる「Docker Desktop」の最新版「Docker Desktop 4.35」の公開を発表し、主な特徴を紹介した。
Dockerは2024年11月4日(米国時間)、Docker開発環境をさまざまなOS上に構築できる「Docker Desktop」の最新版「Docker Desktop 4.35」の公開を発表した。
Docker Desktop 4.35の主な特徴は以下の通り。
Dockerエクスペリエンスを向上させるDocker Home page(β版)
Dockerアカウントにサインインすると表示される新しいDocker Home page(β版)は、以下のような役割を果たす。
- 統一されたエクスペリエンスの提供:Home pageは、ユーザーがDocker製品へのアクセス、サブスクリプションの管理、設定の調整、リソースの検索を全て1カ所で対応するための中央ハブを提供する
- 管理者の支援:管理者は、新しいポータルを通じて組織、ユーザー、オンボーディングプロセスを管理でき、Dockerの使用状況を監視するためのダッシュボードにアクセスすることもできる
- 今後の機能強化:今後のアップデートでは、さまざまな役割にパーソナライズされた機能が追加され、ビジネスサブスクライバーはDockerサポートポータルや組織全体の通知などのツールにアクセスできるようになる
開発作業をスピードアップさせるDocker Desktopのターミナル
Docker Desktopのターミナル機能の一般提供が開始された。コンテナ化されたアプリケーションを管理する開発者は、Docker DesktopのCLI(コマンドラインインタフェース)とGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)の切り替えが頻発し、ワークフローの中断や作業効率の低下に悩まされる場合があった。
ターミナルがDocker DesktopのGUIに直接統合されたため、1つのウィンドウ内でCLI操作とGUI操作をシームレスに切り替えられるようになった。
組織のアクセストークン(β版)を使用した開発環境のセキュリティ保護
2024年10月にリリースされた「組織のアクセストークン」(β版)を使って、Dockerリソースへの開発者のアクセスを組織レベルで管理できるようになった。チームはこの機能により、ユーザーを一元管理し、管理オーバーヘッドを削減し、組織の成長に合わせてアクセスを柔軟に拡張できるため、より安全かつ効率的な運用が可能になる。これはガバナンスの改善や、リソースとセキュリティのより厳密な制御につながり、企業に大きな価値をもたらす。
ボリュームエクスポート機能が正式版に
従来のボリュームバックアップ/共有拡張機能がDocker Desktopに直接統合され、Docker Desktopのボリュームバックアッププロセスが効率化された。ボリュームエクスポート機能の一般提供が開始されており、エクスポート先として外部クラウドストレージも指定できる他、エクスポートのスケジューリング機能(β版)も利用できる。
macOSでのパフォーマンス向上
Docker Desktop 4.35には、AppleシリコンMacのコンテナに最適化されたハイパーバイザーである「Docker Virtual Machine Manager(VMM)」のβ版が含まれている。Docker VMMを使用することで、Linuxカーネルとハイパーバイザーレイヤーをともに最適化し、多くの一般的な開発者タスクの速度を大幅に向上させることができる。
Red Hat Enterprise Linux用のDocker Desktop
「Docker Desktop for Red Hat Enterprise Linux」の一般提供が開始された。Red Hat Enterprise Linux(RHEL)ユーザーはRHEL上で、シームレスなコンテナ化された開発エクスペリエンスに直接アクセスできるようになった。
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