【 Set-VMHost 】コマンドレット――Hyper-Vのホスト設定を変更する:Windows PowerShell基本Tips(123)
本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「Set-VMHost」コマンドレットを解説します。
本連載では、Windows PowerShellの基本的なコマンドレットについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、コンピュータ上で動作するHyper-Vのホスト設定を変更する「Set-VMHost」コマンドレットです。
目次
Set-VMHostの概要 | 書式 | オプション
実行例
- Set-VMHostコマンドレット実行時の注意点
- 仮想マシンファイル群を格納するフォルダの既定値を変更する
- 仮想マシンに割り当てるMACアドレスの範囲を変更する
- 「拡張セッションモード」を有効化する
- リモートのHyper-Vホストの設定値を変更する
Set-VMHostコマンドレットとは?
Microsoftのハードウェア仮想化技術「Hyper-V」はWindows OSで使用可能なハイパーバイザーですが、ハイパーバイザーそのものにも設定が存在し、環境に応じて設定を変更する必要があります。
当然のことながら、Hyper-Vの設定はGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)の管理ツール「Hyper-Vマネージャー」で変更可能です。しかし、複数のHyper-Vホストが存在するような環境で逐一GUIツールで変更すると、設定ミスや設定漏れといったトラブルが発生する可能性もあります。このような場面では、やはりWindows PowerShellを利用することが最適であることは言うまでもないでしょう。
「Set-VMHost」はHyper-Vの各種設定を変更するコマンドレットであり、Hyper-Vによる仮想化基盤を構築する場合には押さえておきたいコマンドレットです。
【注】Set-VMHostは「Windows PowerShell用Hyper-Vモジュール」に含まれるコマンドレットです。GUIツールの「Windowsの機能の有効化」や「役割と機能の追加」からHyper-Vを有効化するか、Windows PowerShellで「Enable-WindowsOptionalFeature」コマンドレットを実行して有効化します。
Set-VMHostコマンドレットの主なオプション
オプション | 意味 |
---|---|
-ComputerName | リモートのHyper-Vホストの設定情報を参照する場合にコンピュータ名を指定する。省略可能 |
-MaximumStorageMigrations | 同時に実行できる「記憶域の移行」の最大数を指定する。省略可能 |
-MaximumVirtualMachineMigrations | 同時に実行できる「ライブマイグレーション」の最大数を指定する。省略可能 |
-VirtualMachineMigrationAuthenticationType | 「ライブマイグレーション」に使用する認証の種類(Kerberos、CredSSP)を指定する。省略可能 |
-VirtualMachineMigrationPerformanceOption | 「ライブマイグレーション」に使用するパフォーマンスオプション(TCP/IP、Compression、SMB)を指定する。省略可能 |
-ResourceMeteringSaveInterval | Hyper-Vホストがリソース使用状況を追跡するデータを保存する頻度を指定する。省略可能 |
-VirtualHardDiskPath | Hyper-Vホスト上の仮想ハードディスクを保存する既定のフォルダを指定する。省略可能 |
-VirtualMachinePath | Hyper-Vホスト上の仮想マシン構成ファイルを保存する既定のフォルダを指定する。省略可能 |
-MacAddressMaximum | Hyper-Vホスト上の仮想マシンに割り当てるMACアドレスの範囲(最大値)を指定する。省略可能 |
-MacAddressMinimum | Hyper-Vホスト上の仮想マシンに割り当てるMACアドレスの範囲(最小値)を指定する。省略可能 |
-NumaSpanningEnabled | Hyper-Vホスト上の仮想マシンに対してNUMA(Non-Uniform Memory Access)ノードをまたいだリソース割り当てを許可するかどうかを指定する。省略可能 |
-EnableEnhancedSessionMode | Hyper-Vホスト上の仮想マシンに接続する際、「拡張セッションモード」を使用するかどうかを指定する。省略可能 |
Set-VMHostコマンドレット実行時の注意点
Set-VMHostコマンドレットは必須のオプションがなく、オプションなしでも実行可能です。しかし、オプションを指定せずに実行した場合は、設定項目がないためエラーとなります。これはリモートのHyper-Vホストを指定する「-ComputerName」オプションを使用した場合でも同様です(画面1)。
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