そもそも「オンプレミス」とは? メリットとデメリットを分かりやすく解説
オンプレミスとは、自社内やデータセンターなどで数十台から数百台以上のサーバやネットワーク機器を保有して社内外のシステムを運用することです。オンプレミスの運用にはメリット・デメリットがあります。
※本稿は、SBクリエイティブ発行の書籍『AWS運用入門 改訂第2版(2025年7月18日発行)』の中から、アイティメディアが出版社の許可を得て一部編集の上、転載したものです。
オンプレミスとは、自社内やデータセンターなどで数十台から数百台以上のサーバやネットワーク機器を保有して社内外のシステムを運用することです。クラウドが登場する前はオンプレミスでシステムが運用されていました。
オンプレミスについて理解する
オンプレミスでは、ハードウェアや稼働しているOS、ソフトウェアなどの管理を全て各企業の運用担当者が行います。言うなれば、みなさんが私用のパソコンやスマートフォンの管理をするのと同じです。パソコンを購入して保有すると、ハードウェアが故障すれば修理の対応をする、ソフトウェアのアップデートがあれば都度対応するなどをみなさん自身が行いますが、オンプレミスではこれらと同じことを運用担当者が行っています。
オンプレミスの運用にはメリット・デメリットがあります。
メリット
- 機器を設置する場所を自社内や災害に強いところなど自由に選ぶことができる
- 機器を保有しているので、ハードウェアのカスタマイズができる
デメリット
- 機器が故障した場合、運用担当者へ昼夜問わず連絡がきて、すぐに対応をしなければならず、頻度が高いと疲弊してしまう
- 機器はスペック(CPUやメモリの搭載量など)を指定して購入するが、事前に将来を見越したスペック設計が難しい
- 機器を購入すると簡単に破棄することができない
- 機器の購入依頼をしてから手元に届くまでに1カ月以上かかる
オンプレミスにはいろいろなデメリットがあり、これらを解消すべく仮想化技術やサーバをレンタルするなどの考え方が出てきました。その中で誕生したのがクラウドです。
AWSはAmazonが抱えていた課題から生まれた
過去にはAmazonでも機器の調達に時間がかかりすぎてシステム開発に注力できないという課題がありました。この課題を解消すべく、AmazonはコンピューティングやストレージなどのITリソースをサービス化してすぐに調達できるように改善しました。
他の会社でも機器の調達に時間がかかるという同じ課題を抱えていることから、ITリソースを簡単に調達できるサービスを提供すれば多くの会社がシステム開発に注力することができ、イノベーションが起こる環境が整うと考えられ、クラウドとして提供されたのがAWSのはじまりです。
書籍紹介
AWS運用入門 改訂第2版
著者:山﨑翔平/小倉大/峯侑資
SBクリエイティブ 3,520円
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