習慣的に学べる人は何が違う? IPAがデジタル時代のスキル変革に関する調査結果を発表:企業は「学びに対する阻害要因」を排除しなければならない
IPAは「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2024年度)報告書」を公開した。同社は「個人が自律的に学ぶ習慣を定着させるには、企業の支援が欠かせない」と指摘している。
情報処理推進機構(IPA)は2025年8月7日、「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2024年度)報告書」を公開した。これは、企業と個人を対象とした「人材の学び」に関する調査結果をまとめたもの。
企業と個人で求めるものの方向性は一緒
同調査では、デジタル人材動向やデジタル事業を推進していく上での組織や人材のマネジメントの在り方、スキル変革などに関する経年変化を追っている。
企業が「今後従業員に求めるスキル」と、個人が「(自身が)身に付けるべきと考えるスキル」を見ると、企業と個人のどちらも「戦略立案」「ビジネスモデル設計」「データ、AI活用」といったスキルが上位に並んだ。
身に付けたスキルを所属組織で生かす機会があるかどうかについて聞くと、「身に付けたスキルを生かす機会がある」と回答した割合が多いのは「ビジネスアーキテクト」(75.0%)と「データサイエンティスト」(70.8%)だった。
習慣的に学べる人は何が違う?
学ぶことが習慣化、継続化している人の行動を見ると「目標設定し、それに向けて体系的に学んでいる」「スキルレベルを把握してから学んでいる」「学んだことを業務に生かす」といった行動が多く見られた。
それに対して、学びの行動ができていない人の理由を見ると、「学習する時間がない」「評価や収入に影響がない」「自らが目指す姿などに合った学習内容、方法や、キャリアに必要なスキルが分からない」といった回答が上位を占めた。
こうした調査結果を受けてIPAは「自律的、継続的な学びを促進していくためには、学びに対する阻害要因を排除していく企業の働き掛けや支援とともに個人の学びに対する行動の変容が不可欠だ」としている。
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