「Claude Sonnet 4」が100万トークンのコンテキスト処理に対応 Anthropic:まずは「Anthropic API」と「Amazon Bedrock」で利用可能
Anthropicは2025年8月13日、大規模言語モデル「Claude Sonnet 4」が最大100万トークンのコンテキストを扱えるようになったと発表した。書籍を丸ごと取り込んだり、大規模なコードベースを一度に処理したりできるようになるため、同社は「研究、開発現場に新たな可能性を提供する」としている。
Anthropicは2025年8月13日(米国時間)、同社の大規模言語モデル(LLM)「Claude Sonnet 4」において最大100万トークンのコンテキスト処理が可能になったと発表した。これは従来の大規模言語モデルの処理能力を大幅に上回るものであり、数百ページに及ぶドキュメントや大規模なソースコード全体を一度に解析することが可能になるという。
20万トークン以下のプロンプトまでは通常料金で利用できる
従来のAIモデルは数万から数十万トークン程度のコンテキスト長が主流で、長大な資料を扱う際には分割入力や検索補助などの工夫が必要だった。Claude Sonnet 4が100万トークンに対応したことによって、膨大なテキストを「1つの文脈(コンテキスト)」として保持でき、章をまたぐ要約や大規模システムのコードレビュー、研究論文の比較分析といった用途で高精度な応答を返すことが可能になったとAnthropicは説明している。
同社はこの技術を「次世代AI活用の基盤」と位置付けている。例えばソフトウェア開発においては、数万行に及ぶリポジトリ全体を読み込んだ上でリファクタリングやセキュリティレビューを行うことが可能になる。法務や研究分野では、書籍や規制文書を丸ごと処理し、重要な論点を抽出できる。Anthropicは「100万トークンのコンテキストは、AIが人間の知的作業を支援する方法を根本的に変える」と述べ、特に情報量の多い領域での実用性を強調している。
2025年8月時点では、処理するトークン数に応じた従量課金制で、20万トークン以下のプロンプトまでは通常料金、それを超える長いコンテキストには段階的に高い料金が適用される形になっている。100万トークンのコンテキスト長処理はまずはパブリックβ版として「Anthropic API」と「Amazon Bedrock」で利用できる。近日中にGoogleの「Vertex AI」でも使えるようになる予定だ。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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