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再考迫られる仮想化戦略、コストと機能のミスマッチを回避するには?信頼できるハイパーバイザーと運用の条件

仮想化基盤の再構築を迫られる企業が増えている。値上がりするライセンス費用、システム構成の多様化、そして運用負荷の増大――。こうした現実を前に、「自社にフィットした仮想化基盤」を構築するには。

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そのハイパーバイザーは自社にフィットするのか

山中氏
日本ヒューレット・パッカードの山中伸吾氏(パートナー営業統括本部 ストレージ営業部 部長)

 2023年のBroadcomによるVMware買収は、仮想化市場に大きな波紋を広げた。ライセンス体系の大幅な変更に伴い、多くの企業が運用コストの増加に直面している。中でも大きな影響を受けたのが、2、3ノード構成といった比較的小規模なHCI(ハイパーコンバージドインフラ)にて、「VMware vSphere」のハイパーバイザーを仮想化基盤として運用してきた企業だ。

 日本ヒューレット・パッカードの山中伸吾氏は、「2015年ごろに登場したHCIは、仮想化基盤の普及に多大な貢献を果たしました。当時から私はHPEの『HPE SimpliVity』シリーズの販売を担当していたのですが、従業員数30人程度のお客さまにもご導入いただくなど、HCIが仮想化のハードルを劇的に下げたことを実感したものです」と振り返る。

 こうした中堅・中小企業にとって、現在のVMware vSphereは自社のニーズとはミスマッチな仮想化基盤となってしまった感が否めない。

 SB C&Sの宮本知侑氏は、「今後の仮想化基盤の更改を見据える中で、果たしてどのハイパーバイザーが自社にとって最適なのか、判断を迷っている企業は少なくありません」と語るとともに、「ディストリビューターの立場で日本の仮想化市場をけん引してきた弊社は、販売パートナーやその先にいるお客さまに対して、最適な選択肢をご提示し続ける責務があります」と強調する。

HPE PCBEに注目すべき理由とは

 仮想化を取り巻く市場環境が歴史的な転換点を迎えた今、中堅・中小企業の課題解決を支援するために、HPEは「Private Cloud Business Edition」(以下、PCBE)を発表した。「HPE Morpheus VM Essentials Software」(以下、HVM)という仮想化ソフトウェアを中核とした、仮想化基盤のソリューションだ。

 「Linuxベースのハイパーバイザーである『KVM』をベースに、HPEが2024年夏に買収したMorpheus dataのマルチクラウド管理ツールを『VMware vCenter Server』のような仮想環境管理ツールとして組み合わせたものがHVMです。これにより、VMware vSphere Standardエディションの代替となる選択肢をマルチベンダー環境に提供します。このHVMをHPE製のハードウェアに実装した仮想化基盤として提供するのがPCBEです」(山中氏)

図1
HPE Morpheus VM Essentials Softwareの提供形態(提供:SB C&S)《クリックで拡大》

 ハイパーバイザーから管理プラットフォーム、ハードウェアまで、HPEが一貫提供するのがPCBEの特徴だ。ユーザー企業は具体的にどのようなメリットを得られるのだろうか。大きなポイントの一つはサポート面にある。

 マルチベンダー構成の仮想化基盤に起こったトラブルは、解決が困難なケースが珍しくない。ハイパーバイザーの問題なのか、ゲストOSの問題なのか、あるいはデバイスドライバの問題なのか――。トラブルの原因を特定する段階から高度な知見が要求され、多大な時間と工数を費やすことになる。

 こうした困難をPCBEなら回避できるのだ。「仮想化基盤に起こったさまざまな問題を、HPEに全て“丸投げ”していただけます。そしてHPEは、それらの問題が解決に至るまで全面的な責任を負うことになるため、逃げも隠れもできません」(山中氏)

 PCBEのもう一つのメリットが運用の簡素化だ。仮想化基盤の安定運用や機能拡張のためには、継続的なアップデートが欠かせない。しかし、ハードウェアのファームウェアからハイパーバイザー、ゲストOSまで、レイヤーごとに頻発するアップデートに遅滞なく対応するのは容易なことではない。

金井氏
SB C&Sの金井大河氏(ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 2課)

 SB C&Sの金井大河氏は、「各レイヤーで個別にアップデートを実施した結果、その組み合わせによっては、逆にトラブルを起こす原因となる場合もあります。2025年2月に登場して以来、HVMはほぼ月に1回のペースでアップデートが行われ、新機能が続々とリリースされています。しかしアップデートに不安を抱えたままでは、せっかくの新機能も積極的に取り入れられません」と語る。

 この問題に対してPCBEは「検証済みアップデートパターンのカタログ」を提供している。「お客さまはHPEのクラウドサービスで公開しているこのカタログにアクセスし、わずか1〜3回クリックするだけで、PCBE全体のアップデートを完了できます。仮想化基盤のメンテナンス工数の削減と安定稼働の維持、機能拡張の迅速化といった運用のさまざまな観点で、大きな貢献を果たすものと期待しています」(金井氏)

 そしてPCBEの導入は、コストダウンも期待できる。「HVMはVMwareが長らく採用していた『物理CPUのソケット数に基づいたライセンス体系』を継承しています。従ってPCBEは、既存のHCIとほぼ同等の価格帯での導入が可能です」(山中氏)

dHCIとHCI、さらにGreenLake――多様な形態での調達が可能なストレージ

宮本氏
SB C&Sの宮本知侑氏(ICT事業本部 システム基盤推進本部 ソリューション販売推進統括部 サービスビジネス推進室)

 PCBEの具体的な導入形態について、さらに掘り下げていきたい。PCBEには現在、大きく分けて分散型HCI(dHCI)とHCI(SimpliVity)という2つのラインアップがある。

 dHCIとは、独立した共有ストレージ「HPE Alletra Storage MP B10000」をデータストアに配置した3Tier型でありながら、ソフトウェアベースのHCIの利便性も両立させた仮想化基盤だ。

 「ストレージ容量だけを増やしたい、あるいはサーバ(性能)だけを追加したいといった場合、dHCI構成のPCBEであれば柔軟に対応できます。計画外の停止が許されないミッションクリティカルなシステムを運用する上でも、堅牢(けんろう)なストレージを備えたdHCI構成のPCBEの方が有利です」(山中氏)

 一方のHCIは、各ホストサーバの内蔵ディスクをソフトウェアによって論理的な共有ストレージとして束ねることで実現する仮想化基盤だ。3Tier型と比べ、仮想化基盤を構成する機器の台数を少なく抑えられるのがメリットと言える。

差ヶ久保氏
SB C&Sの差ヶ久保拓弥氏(ICT事業本部 システム基盤推進本部 ソリューション販売推進統括部 サービスビジネス推進室)

 「これまで『VMware vSAN』をベースとしたHCIを活用してきた企業では、やはりHCI型のPCBEが現実的な代替策になると考えられます。複数のホストサーバをクラスタ接続した環境下でリソースの負荷分散を図りつつ、高度な可用性(HA)を確保できるのもメリットです」(宮本氏)

 PCBEを導入するに当たって「初期コストを可能な限り抑えたい」と望む企業に向けて、HPEは一括購入の形態だけでなく、「HPE GreenLake」(以下、GreenLake)と組み合わせた選択肢も用意している。GreenLakeはユーザー企業のオンプレミス環境にハードウェアを設置しながらも、パブリッククラウドと同様の従量課金制で利用できるモデルだ。

 SB C&Sの差ヶ久保拓弥氏は、「VMwareベースの仮想化基盤の移行先としてパブリッククラウドも有力な候補となりますが、一方で重要なデータを社外に置くことに懸念を抱く企業も少なくありません。そのような企業に向けた選択肢としても、GreenLakeと組み合わせたPCBEは最適なソリューションとなります」と語る。

仮想化ソリューションを熟知したSB C&Sの強力なサポート体制

 PCBEの国内展開をさらに加速させるために、HPEとタッグを組んで業界をリードするディストリビューターこそ、他でもないSB C&Sであり、下記のような多面的なサポートを提供している。

 まずは全国各地の販売パートナーを対象とした「ハンズオン」だ。「参加者が実際に構築体験できる実践形式のセミナーで、HVMのインストールから始まり、仮想化基盤の管理方法、VM(仮想マシン)のプロビジョニングまで、HVMにおける構築の流れにフォーカスしたスキームを一貫して理解できる絶好の機会を提供しています」(宮本氏)

 これまでにHVM のハンズオンは9回にわたって開催されており、販売パートナーからも好評を得ている。

図2
SB C&Sがパートナー企業向けに提供しているHVMの支援施策(提供:SB C&S)《クリックで拡大》

 金井氏は「『お客さまの仮想化基盤の移行に際して、どのような準備が必要なのか』といった、現場ニーズに即した質問が参加者から数多く届いており、大きな手応えを感じています」と語り、こう強調する。「SB C&S独自の知見を生かし、HPEのマニュアルを補完する独自のドキュメントやコンテンツを整備するなど、さらに充実したトレーニングや情報発信、実践的サポートの準備も整えています」

 これを受けて山中氏も、「PCBEの展開に向けて重要な鍵を握るのは、既存の仮想化基盤からのスムーズな移行を実現し、システムのダウンタイムをどこまで最小化できるかにあります。VMware製品環境を熟知した上で、いち早くHVMを取り扱って検証してきたSB C&Sは、非常に心強い存在となっています」と、そのサポート力を高く評価している。

 加えてSB C&Sは、dHCI型のPCBEの認定ストレージであるHPE Alletra Storage MP B10000の検証目的の貸し出し(期間:2週間〜1カ月程度)にも対応するとともに、HVMの標準的なキッティングメニューの準備も進めている。

 「多様な構成が可能なPCBEならではの悩みとして、どのモデルが自社に合っているのかを見極めるのに苦労するケースがあります。そのような販売パートナーやお客さまに向けて、『GreenLakeを含め何が最適なのか』という提案のサポートを強化します」と差ヶ久保氏は訴求する。

 SB C&SはPCBEに大きな期待を寄せ、ITパートナー企業とともにユーザー企業を支援する体制をますます強化しようとしている。多くの企業が仮想化戦略の見直しを迫られている中、PCBEは新たな仮想化基盤として注目を集める選択肢になりそうだ。

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提供:SB C&S株式会社、日本ヒューレット・パッカード合同会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2025年12月17日

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