検索
ニュース

SnowflakeがAIアプリ開発支援ツール群を発表 データエンジニアリングにどう役立つのか?自然言語で操作できるAIアシスタントも

Snowflakeが企業向けエージェント型AIアプリ開発を支援する開発者ツール群を発表した。データ品質・セキュリティ向上機能も強化する。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 Snowflakeは2025年11月4日(米国時間)、エンタープライズ向けエージェント型AI(人工知能)アプリを迅速かつ安全に開発することを支援する新たな開発ツール群を発表した。統合されたインテリジェントな開発環境やオープンソースツールとの連携、データ品質・セキュリティ向上機能の強化を通じて、運用コストと総所有コスト(TCO)を抑えつつ、高度なAIアプリをより迅速に開発できるという。

データエンジニアリングチームのための開発ツールとは

 MIT Technology Review Insightsの『Redefining Data Engineering in the Age of AI』(2025年10月)によると、既に400人のデータ/テクノロジー担当グローバルシニアエグゼクティブのうち20%がAIエージェントを導入済みで、今後1年以内に半数以上が導入を予定しているという。

 一方で、膨大で多様なデータを扱うデータエンジニアリングチームの負荷が増大していることが課題となっている。こうした状況に対し、Snowflakeは開発ツールを提供し、より迅速かつ安心して本番環境に移行できることを目指している。

 Snowflakeが発表した開発ツールは以下の通り。

  • 「Cortex Code」(プライベートプレビュー)
    Snowflake製品のユーザーインタフェースから自然言語で操作できるAIアシスタント。自社のSnowflake環境全体を俯瞰(ふかん)し、複雑なクエリの最適化やコスト削減につながる調整を支援する
  • 「Snowflake Cortex AISQL」「Snowflake Dynamic Tables」(一般提供開始)
    単一のSQLクエリで拡張可能なAI推論パイプラインを構築できる
  • 「AI Redact」(パブリックプレビュー)
    非構造化データ内の機密データを自動検出してマスキングし、セキュリティとプライバシーを確保したままマルチモーダルなデータセットをAI向けに整備する

Cortex CodeのAIアシスタント画面(提供:Snowflake

AIアプリ開発のためのIDEと連携機能

 Snowflakeは、開発者が使い慣れた開発ツールをSnowflake製品上でそのまま活用できるようにすることで、柔軟性と選択肢を提供するという。これにより、開発者の生産性を高めるとともに、AIアプリ開発におけるデータエンジニアリングチーム間のコラボレーションを促進し、開発スピードの向上を狙う。

 Snowflakeが発表したAIアプリ開発のためのIDE(統合開発環境)と連携機能は以下の通り。

  • 「Workspaces」(一般提供開始)
    サイロ化されたデータ作業を解消し、さまざまなファイルタイプに対応したコードの作成、整理、管理を1カ所で行えるIDE
    • 「Git Integration」(一般提供開始)
      「Git」との連携機能によってバージョン管理を一元化できる
    • 「Snowflake Extension for Visual Studio Code」
      (一般提供開始)開発者はローカル環境のIDEで作業しつつ、データエンジニアリングチーム全体でコードを共有できる
  • 「dbt Projects on Snowflake」(一般提供開始)
    データ変換ツール「dbt」との連携を強化。Snowflake環境内でdbtプロジェクトの構築、検証、デプロイ、モニタリングができる
  • 「Snowpark Connect for Apache Spark」(一般提供開始)
    企業が保有する「Apache Spark」の既存コードをSnowflakeのセキュアな実行エンジン上で再利用できるように支援する

Workspacesの使用例(提供:Snowflake

データ品質とコードセキュリティの向上機能を強化

 エージェント型AIアプリを大規模に展開するには、データエンジニアリングチームが扱うデータの品質とセキュリティを高い水準で維持することが不可欠だ。これを支援するために、Snowflakeは以下のようなデータ品質とコードセキュリティの向上機能も強化した。

  • 「Data Quality User Experience」(パブリックプレビュー中)の強化
    データの信頼性を監視・報告する作業を簡素化するための強化。開発者がデータの正確性や信頼性を評価しやすくし、自動生成されたサマリーからより深いインサイト(洞察)を得られるようにする
  • 「Code Security」(一般提供開始)のアップグレード
    開発環境におけるコードの保護を強化し、データポイズニングやモデル改ざんといった攻撃への防御力を高める

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る