「東京以外では働かない」 外国人IT人材が10万人規模に:エンジニアなどホワイトカラー専門職が7割
ヒューマンリソシアが、日本のIT業界で働く海外人材の動向調査を公表。就業者数がIT業界全体の3.2%を占めることや、海外出身ITエンジニアの「東京集中」度合いにおける他の産業との違いなどが明らかとなった。
総合人材サービス会社のヒューマンリソシアは2026年2月24日、日本のIT業界で働く海外人材の最新動向を分析した結果を発表した。本調査は、厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(2025年10月末時点)を基に、厚生労働省「労働力調査」や東京都「東京の労働力(労働力調査結果)」などを用いて集計・分析したもの。
IT業界で働く海外人材は10万人に迫る規模に拡大
日本全体の労働市場において、海外人材は2023年10月時点で初めて200万人を超え、2025年10月末時点では250万人を超えた。国内総就業者に占める割合は2021年の2.6%から2025年には3.8%に上昇しており、労働市場における存在感は着実に高まっている。
その中でも特にIT業界で働く海外人材の動向を集計したところ、2025年には前年比8.1%増の9.8万人と、10万人に迫る規模となった。IT業界の就業者全体に占める海外人材の割合は、2016年の2.1%から2025年には3.2%へと増加しており、人数も2016年の4.4万人から2025年には約2.2倍まで増えている。2021年にはコロナ禍の影響によって7.1万人まで減少したものの、2022年以降は回復基調に入り、過去最多を更新している。
IT業界の総就業者数の増加が直近10年で約1.5倍にとどまる中、海外人材は約2.2倍に拡大しており、今や「安定的な人材供給源の一つ」となっていることがうかがえる。
ホワイトカラー専門職人材が中心
IT業界で働く海外人材を在留資格別で見ると、75.7%が専門的・技術的分野で就業しており、そのうちITエンジニアなどを含むホワイトカラー専門職の在留資格「技術・人文知識・国際業務」が67.3%を占めている。この在留資格は、コロナ禍の影響を受けた2021年以外は増加基調で推移しており、ITエンジニアなどホワイトカラー専門職種で働く海外人材が増えている実態が浮き彫りになった。
際立つ「東京集中」度合い、他の産業とどれぐらい違う?
なおIT業界で働く海外人材の多くはITエンジニアなどの高度・専門職人材であり、かつその約8割が東京に集中していることも明らかとなった。東京で就業するIT業界の海外人材は、2021年の5.7万人から2025年には7.8万人に増えており、IT業界で働く海外人材全体に占める割合は約8割と高水準で推移している。
一方、IT業界全体の就業者で見ると、東京で働く人材が占める割合は3割強にとどまっており、全産業における海外人材の東京比率も25.4%となっている。このことから、IT業界における海外人材の東京集中度合いは他産業と比較しても際立っていることが分かる。
今回の分析結果を受け、ヒューマンリソシアは「ITエンジニア不足が続く中、海外出身IT人材の活用は今後も重要な選択肢となる。一方で、東京圏への集積構造が続く現状を踏まえ、地方を含む東京圏以外での活躍機会の拡大も論点の一つになる」と述べている。
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