AIが「勝手に長時間」コードを書く時代へ Cursorが求める開発者像と普及への課題:プルリクの35%をエージェントが生成
「Cursor」の開発元Anysphereは、AI支援によるソフトウェア開発が「第三の時代」に入りつつあるとするブログ記事を公開した。同社では現在、マージされるプルリクエストの35%をクラウド上のAIエージェントが生成しているという。
AIコードエディタ「Cursor」を開発するAnysphereは2026年2月26日(米国時間)、AI支援によるソフトウェア開発の進化について解説したブログ記事を公開した。
AI支援コーディングの3つの段階
Anysphereによると、AI支援によるソフトウェア開発はこれまで2つの時代を経て、現在は第三の時代に移行しつつあるという。
第一の時代は「Tab」機能による自動補完であり、反復的なコーディング作業を部分的に自動化した。
第二の時代には、AIエージェント(AIが自律的にタスクを実行するソフトウェア)が登場した。開発者とエージェントの逐次的なプロンプトとレスポンスの対話を通じて、より複雑なタスクを処理できるようになった。
現在到来しつつある第三の時代は、エージェント型AIが人間の逐次的な指示に依存せず、より長時間にわたって大規模なタスクを自律的に処理する段階だという。
Cursor利用統計に見る、Tab補完からエージェントへの移行度合い
Cursorにおける利用統計は、この移行の速度を示している。2025年3月時点では、Tab補完を主に利用するユーザーは、エージェントのユーザーの約2.5倍だった。現在はその比率が逆転し、エージェントのユーザーはTabユーザーの2倍となっている。過去1年でCursorにおけるエージェントの利用は15倍以上に増加したという。
Anysphereによると、現在、多くのCursorユーザーは[Tab]キーをほとんど使用しなくなっているという。同社は、逐次的なエージェントを主体とする第二の時代は、Tab補完の時代(約2年間)ほど長くは続かないとみている。
クラウドエージェントの仕組みと利点
Anysphereは2026年2月24日、「クラウドエージェント」を公開した。
対話型エージェントはローカルマシン上のリソースを複数のエージェントで共有するため、同時に扱えるエージェント数が限られる。各ステップで開発者が関与し続ける必要もある。
これらの制約を取り除くのがクラウドエージェントだ。クラウドエージェントは各エージェントが専用のVM(仮想マシン)上で実行されるため、開発者はタスクを渡して別の作業に移ることができ、エージェントは数時間にわたって処理を進められる。出力に十分な精度が得られた段階でレビュー可能な成果物(アーティファクト)を返す。返されるのはdiff(差分)だけでなく、ログや動画の録画、ライブプレビューも含まれる。
この仕組みにより、複数エージェントの並列実行が可能になる。開発者の役割は、コードの逐次的な生成を指示することから、問題の定義やレビュー基準の設定へとシフトすると同社は説明している。
Cursor社内ではプルリクエストの35%をエージェントが生成
Anysphereによると、現在Cursor社内でマージされるプルリクエストの35%は、クラウドVM上で自律動作するエージェントによって生成されているという。同社はこの新しい働き方を採用する開発者の特徴として、以下の3点を挙げている。
- エージェントがコードのほぼ100%を記述する
- 開発者は問題の分解、成果物のレビュー、フィードバックに時間を充てる
- 単一エージェントを監視するのではなく、複数のエージェントを同時に並列実行させる
普及に向けた課題
Anysphereは、エージェントによる開発方式を広く普及させるためには解決すべき課題も残るとしている。例えば、個人の開発者なら回避できる不安定なテストや壊れた環境が、エンタープライズ規模の運用では、全てのエージェントの実行を中断させる要因になり得る。エージェントが必要とするツールやコンテキストへのフルアクセスを確保し、可能な限り効率的に動作できるよう整備することも求められる。
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