【PowerToys】ウィンドウをどこでも自由に「つかんで移動」機能など、最新版強化ポイントまとめ:Tech TIPS
Microsoftが提供する公式ツール群「PowerToys」がv0.99へと進化した。今回のアップデートでは、ウィンドウのどこでもつかんで移動できる機能や、外付けモニターの輝度を直接制御できるツールが追加された。さらにAIを活用したスクリーンショットやペースト機能も強化。Windows 11の操作性を劇的に高める、パワーユーザー必携の新機能を解説する。
対象:Windows 11
Microsoft公式「PowerToys」最新版の強化ポイントまとめ
Microsoftが提供する公式ツール群「PowerToys」がv0.99へと進化した。今回のアップデートでは、ウィンドウのどこでもつかんで移動できる機能や、外付けモニターの輝度を直接制御できるツールが追加された。さらにAIを活用したスクリーンショットやペースト機能も強化。Windows 11の操作性を劇的に高める、パワーユーザー必携の新機能を解説する。
Microsoftが無償で提供している公式ツール集「PowerToys」が着々と強化されている。2026年4月28日(米国時間)にリリースされたv0.99.0では、「つかんで移動(Grab And Move)」と「Power Display」の2つの機能が新たに追加された他、既存の主要機能についても大幅なアップデートが実施されている。
PowerToysとは、Windows標準の機能では満足できないパワーユーザーのために、Microsoftがオープンソースで開発・提供している「公式の機能拡張ツール群」である。このツールを導入することで、Windows 11の使い勝手は大きく向上する。
本Tech TIPSでは、PowerToys v0.99で追加・更新された機能を紹介しよう。
PowerToys v0.99の主な更新内容
PowerToys v0.99で追加・更新された主な機能は下表の通りだ。「つかんで移動」と「Power Display」が新機能として追加された他、「Keyboard Manager」や「ZoomIt」などが更新されている。「Advanced Paste」は、生成AI(人工知能)による機能強化が目新しいところだ。
| 機能名 | 更新内容 | 機能・変更点 |
|---|---|---|
| つかんで移動 | 新機能 | [Alt]キーを押すことでウィンドウのどこをつかんでも移動可能 |
| Power Display | 新機能 | 外付けモニターの輝度やコントラストをタスクバーから操作可能 |
| Keyboard Manager | UI刷新/安定性向上 | インタフェースを完全リニューアル。直感的なキー割り当てが可能 |
| PowerToys Run | 機能強化 | 検索アルゴリズムを改善し「コマンドパレット」としての精度向上 |
| ZoomIt | 機能強化 | 「スクロールスクリーンショット」を搭載 |
| Advanced Paste | 機能強化 | AI連携機能を強化。Markdown変換や要約ペーストに対応 |
| ワークスペース | 安定性向上 | 特定の作業用アプリ群を一斉起動する際の安定性を改善 |
| PowerToys v0.99の更新内容 | ||
PowerToys v0.99のインストールと最新版へのアップデート方法
PowerToys v0.99をインストールする方法を簡単に紹介しておこう。詳細は、Tech TIPS「知らなきゃ損だぞ『PowerToys』。キー配置変更も画面一括リサイズもMicrosoft公式無料ツール集でここまでできる」を参照してほしい。
PowerToysのインストール方法は、3つある。最も一般的なのは「Microsoft Store」アプリを使って、Microsoftストアからインストールする方法だ。「PowerToys」で検索した結果に表示された「Microsoft PowerToys」欄の[インストール]ボタンをクリックすればよい。
MicrosoftストアでPowerToysをインストールする
「Microsoft Store」アプリを起動し、「PowerToys」で検索した結果に表示された「Microsoft PowerToys」欄の[インストール]ボタンをクリックする。
また、コマンドプロンプトやPowerShellを使ったインストールも可能だ。Windowsターミナルを起動し、以下のコマンドを実行すればよい。
winget install Microsoft.PowerToys
さらにGitHubの公式リポジトリから実行ファイルを直接ダウンロードすることも可能だ。Webブラウザで以下のWebページを開き、「Assets」欄でプラットフォームに合わせたインストーラーをダウンロード後、インストーラーを実行すればよい。
- microsoft/PowerToys(GitHub)
既に旧バージョンを利用しているユーザーは、PowerToysの設定画面にある[全般]タブにある[更新プログラムの確認]ボタンをクリックすることで、最新版へとアップグレードできる。また、バックグラウンドでの自動更新を有効にしておけば、PCを起動している間に常に最新の機能が適用される。v0.99への更新時には、.NETランタイムのアップデートが必要になる場合があるが、これもインストーラーの指示に従うだけでスムーズに完了する。
PowerToysを手動で更新する
通知領域の[PowerToys]アイコンを右クリックして表示されるメニューの[設定]を選んで設定画面を開く。「全般」タブの「更新プログラムのインストール準備完了」欄にある[今すぐインストール]ボタンをクリックすると、最新版に更新できる。
PowerToys v0.99で追加され作業効率を劇的に変える2つの新機能
ここからは、PowerToys v0.99で追加された「つかんで移動」と「Power Display」の使い方を詳しく見ていこう。
「つかんで移動」でウィンドウ操作をストレスフリーに
通常、Windows 11でウィンドウを動かすには、最上部にあるタイトルバーを正確にドラッグする必要がある。しかし高解像度ディスプレイの場合、タイトルバーが相対的に狭くなり、タイトルバーがつかみにくいことも多い。また、Webブラウザのようにタイトルバー部分にタブが表示されるようなアプリだと、タブが増えるとつかむ隙間がなくなってしまうこともある。
このような場面で便利なのが「つかんで移動」という機能だ。有効化の手順は簡単で、PowerToysの設定画面で「つかんで移動」のスイッチを「オン」にすればよい。
「つかんで移動」を有効化する
通知領域の[PowerToys]アイコンを右クリックして表示されるメニューの[設定]を選択すると、このPowerToysの設定画面が開く。ここの[ホーム]画面で「つかんで移動」のスイッチを「オン」にする。
この機能を有効化すれば、移動させたいウィンドウの上で[Alt]キーを押しながら左クリックして、そのままマウスを動かせばよい。ウィンドウの中央付近を適当につかむだけで移動できるため、特に高解像度の大型モニターやノートPCなどで操作性が良くなる。
「つかんで移動」でウィンドウを動かす
「つかんで移動」を有効化すると、ウィンドウのどこでも[Alt]キーを押しながら左クリックした状態でドラッグすることで動かせるようになる。わざわざタイトルバーまでマウスポインターを移動させる必要がないため、素早いウィンドウの移動が可能になる。
既定では、ウィンドウ移動時に押すキーは[Alt]キーに設定されている。このキー(アクティブ化修飾キー)は設定画面の[つかんで移動]タブで[Windows]キーに変更できる。また「つかんで移動」機能と干渉するアプリがある場合は、「除外するアプリ」欄にアプリ名を入力することで、そのアプリでは機能が働かないようにできる。
「つかんで移動」の設定を変更する
PowerToysの設定画面にある[つかんで移動]タブを開き、「アクティブ化修飾キー」欄のプルダウンリストで[Windows]キーに変更できる。また、「除外するアプリ」欄にアプリ名を入力すると、そのアプリではこの機能が働かないようにすることも可能だ。
「Power Display」でモニター設定を一括管理
「Power Display」は、ディスプレイ(モニター)の輝度やコントラストをWindows 11上から変更可能にするツールだ。通常、ディスプレイの輝度などは、ディスプレイの背面や下部にある物理ボタンを使って設定する。しかし、その操作性は決して良くない。一部のディスプレイでは、専用の設定ツールによってWindows 11上から設定変更が可能なものの、異なるディスプレイベンダーのディスプレイでマルチディスプレイ環境を構築していると、それぞれのツールが必要になってしまう。
「Power Display」では、DDC/CI通信を利用して、異なるベンダーのディスプレイであっても1つのツールで設定が可能となっている。DDC/CI(Display Data Channel/Command Interface)とは、HDMIやDisplayPortなどの接続ケーブルを介して、PCからディスプレイに対して「輝度を下げろ」「コントラストを上げろ」といった命令を送るための標準規格である。通常はディスプレイ上で実行する設定変更を、デジタル信号としてバイパスできるのが最大の利点だ。
Power Displayを利用するには、まずPowerToysの設定画面にある「Power Display」のスイッチを「オン」にして機能を有効化する。注意点として、ディスプレイ側で「DDC/CI」設定が有効になっている必要もある。もしPower Displayを操作してもディスプレイが反応しない場合は、ディスプレイ自体のメニューでその設定を確認してほしい。
Power Displayの操作はシステムトレイに常駐する専用アイコンから行う。アイコンをクリックすると現れるスライダーを動かすだけで、複数のモニターを一括、あるいは個別に最適化できる。物理的なボタン操作から解放されるメリットは、一度体験すれば実感できるだろう。
Power Displayを使う(3)
システムトレイの[Power Display]アイコンをクリックすると設定パネルが表示される。ここで、ディスプレイごとに明るさやコントラストの調整が可能だ。また、ディスプレイ名の右側にある[…]アイコンをクリックすると、入力ソースが変更できる(ディスプレイによっては変更できないこともある)。1つのディスプレイに複数のPCを接続している場合、ディスプレイの切り替えスイッチを操作しなくても、ここで切り替えられるようになる。
なお、システムトレイに「Power Display」のアイコンが表示されない場合は、Windows 11上で非表示の設定になっている可能性が高い。Windows 11の「設定」アプリを起動し、「個人用設定」−「タスクバー」画面を開き、「その他のシステムトレイアイコン」欄を展開して、「PowerToys.PowerDisplay」のスイッチを「オン」にすればよい。また、PowerToysの設定画面にある「Power Display」の「システムトレイアイコンの表示」にチェックを入れてもよい。
Windows 11の「設定」アプリで[Power Display]アイコンを表示/非表示を設定する
Windows 11の「設定」アプリを起動し、「個人用設定」−「タスクバー」画面を開く。「その他のシステムトレイアイコン」欄を展開し、「PowerToys.PowerDisplay」のスイッチを「オン」にする。これでシステムトレイに[Power Display]アイコンが表示されるようになる。
PowerToys v0.99で更新された既存ツール
PowerToys v.0.99では、既存ツールの使い勝手も向上している。変更点などについて見ていこう。
キーボードのキー配置が変更できる「Keyboard Manager」
「Keyboard Manager」はユーザーインタフェースが刷新され、ショートカットの割り当てが直感的に行えるようになった。
「Keyboard Manager」は、キーボードのキーの配置を自分好みにソフトウェアレベルで書き換える(再マッピングする)ためのツールである。例えば「使わない[Caps Lock]キーを[Ctrl]キーに変える」といった単一キーの変更から、「特定の複雑なショートカットを1つのキーに集約する」といった高度なカスタマイズも可能だ。
この設定変更は、「特定のアプリケーション実行時のみ」に限定して適用できる。例えば、動画編集アプリを使用しているときだけ、特定のキーに編集コマンドを割り当てるといった運用が可能になる。
PowerToys v.0.99では、この割り当て画面のインタフェースがリニューアルされ、どのキーがどの機能にひも付いているかが一目で判別できるようになった(従来のインタフェースも利用可能)。
ただし、この新しいエディタを利用するには、WindowsアプリSDK Version 1.8.xのインストールが必要になる。インストールされていない場合、[エディターを開く]ボタンをクリックすると、インストールするように促される。ここで[はい]ボタンをクリックすると、Webブラウザでダウンロードページ(最新のWindowsアプリSDKダウンロード)が開く。ところが、ここからインストールできるVersion 2.0.xでは新しいエディタが起動できないようだ。
そこで、画面をスクロールして「その他のリソース」欄にある「WindowsアプリSDK用の以前のバージョンのダウンロード - Windows apps」リンクをクリックして、「WindowsアプリSDKダウンロードのアーカイブ」ページを開き、ここの「WindowsアプリSDK 1.8」欄からインストーラーをダウンロードしてインストールするとよい。
以前のエディタでは、キーをプルダウンリストで選択していた。一方、新しいエディタではキーを押すことで割り当てるキーと割り当てる機能が設定できるようになった。かなり設定が分かりやすくなっている。
「Keyboard Manager」の新しいエディタを使う(2)
[エディターを開く]ボタンをクリックする。WindowsアプリSDK Version 1.8.xがインストールされていない場合は、ここでインストールするようにダイアログが表示される。ダイアログの指示に従うと、Version 2.0.xがインストールされてしまい、新しいエディタが起動できないようなので、本文に記したようにVersion 1.8.xをインストールすること。
「Keyboard Manager」の新しいエディタを使う(4)
「トリガー」欄のボックスをクリックして、機能を変更したいキーを押す。画面の[VK240]キーは[Caps Lock]キー。次に「アクション」欄のボックスをクリックして割り当てたいキーを押す。[保存]ボタンをクリックすると、[Caps Lock]キーが[Ctrl]キーとして働くようになる。ただし、一部の日本語キーボードではキーによって正常に働かないことがある点に注意してほしい。
「Keyboard Manager」の新しいエディタを使う(5)
登録したキーとショートカットの組み合わせが表示される。一時的に無効化したい場合は、スイッチを「オフ」にすればよい。また、この組み合わせを削除したい場合は、[…]アイコンをクリックして、[削除]を選択すればよい。
バージョンアップによって安定性は増したようだが、依然として一部の日本語キーボードとは相性が悪いようだ。手元のロジクール(Logicool)製の日本語キーボードでは、「Keyboard Manager」を有効にしてキーの割り当てをすると、[Ctrl]キーが押されたままの状態になってしまうという不具合が発生した。このような症状が発生した場合は、「Keyboard Manager」を無効化して改善されるのを待つ必要がある。
コマンドパレットとしての精度が向上した「PowerToys Run」
ランチャー機能である「PowerToys Run」は、検索アルゴリズムが改善され、Web検索や計算、実行中のプロセス終了といった高度な操作を、マウスを握り直すことなくキーボードだけで完結させることができるようになった。
スクロールスクリーンショットに対応した「ZoomIt」
プレゼン支援ツール「ZoomIt」にスクロールスクリーンショット機能が追加された。ZoomItを起動し、設定されたショートカット(既定は[Ctrl]+[8]キー)を押して範囲を指定、画面をスクロールさせた後、再度、ショートカットを押すと継ぎ目のない縦長画像を生成してくれる。画像はクリップボードにコピーされた状態なので、「ペイント」アプリなどに貼り付けてファイルに保存すればよい。
直接ファイルに保存したい場合は、[Ctrl]+[Shift]+[8]キーを押せばよい。画像生成後、ファイルの保存ダイアログが開き、PNG形式で保存ができる。
「ZoomIt」でスクロールスクリーンショットを実行する(1)
「ZoomIt」を有効化した状態で、[Ctrl]+[8]キーを押す。デスクトップが濃いグレーになるので、スクロールキャプチャーしたい領域をドラッグして選択する。
AI連携で貼り付け時の形式変換が可能になった「Advanced Paste」
貼り付け機能を強化する「Advanced Paste」は、コピーしたテキストを貼り付ける瞬間にMarkdownやJSONへ変換したり、AIを介して内容を要約した上でペーストしたりできるようになった。ただし、AI変換を利用するには、AIモデルの追加が必要になる。
「Advanced Paste」を設定する(1)
「Advanced Paste」では、AIモデルを登録して、貼り付け時にAIを使った処理が可能になった。「AIを使用して貼り付ける」欄の[モデルの追加]ボタンをクリックし、表示されたリストからモデルを選択、モデルのAPIキーなどを設定して登録する。
「Advanced Paste」を設定する(2)
「アクション」欄では、「マークダウンとして直接貼り付ける」と「JSONとして直接貼り付ける」の2つの操作が可能になった。それぞれショートカットを割り当てると、貼付け時にそのショートカットを押すことで、マークダウン形式やJSON形式でテキストが貼り付けられる。
設定画面でAI連携のキーを入力しておけば、生のデータをコピーして貼り付けるだけで即座に翻訳した状態や要約した状態に整形される。
ウィンドウの並びが保存できる「ワークスペース」
特定の作業を開始する際、Webブラウザ、エディタ、メールアプリなどを決まった位置に並べてから、という人も多いのではないだろうか。毎回のこの作業は意外と面倒だ。この作業を引き受けてくれるのが、「ワークスペース」である。
「ワークスペース」は、複数のアプリとその配置レイアウトをセットとして保存し、ワンクリックでそれら全てを起動・整列させる機能だ。PowerToys v.0.99では、アプリが起動する際のウィンドウ配置ロジックが大幅に改善された。これにより、以前のバージョンでたまに見られた「保存した場所と微妙にズレて起動する」といった現象が抑制され、環境復元の精度が高まっている。
「ワークスペース」を使うには、PowerToysの設定画面で「ワークスペース」のスイッチを「オン」にしてかワークスペースを作成すればよい。ワークスペースを作成するには、「アクティブ化」欄の[エディターを開く]をクリックすると、「ワークスペースエディター」画面が開くので、ここで[ワークスペースの作成]ボタンをクリック、保存したい画面レイアウトにウィンドウを並べ替えてから[キャプチャ]ボタンをクリックする。これで、キャプチャーした画面レイアウトが保存され、ショートカットキー(既定では[Windows]+[Ctrl]+[@]キー)を押すと、その状態にウィンドウが再配置されるようになる。
特にマルチディスプレイ環境で多くのウィンドウを並べて使っている開発者などには便利な機能だ。
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