取引先に「★4以上」求めたい、でも要求しにくい? 経産省「SCS評価制度」で直面する板挟みの現実:制度を認知するサプライヤーの9割が「★3」「★4」取得を目指す
キヤノンITソリューションズは、経済産業省が運用を予定している「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」に関する実態調査を発表した。取引条件化の意向がある発注企業のうち、過半数が取引先にセキュリティ対策の評価水準として「★4以上」を求める予定と回答した。
キヤノンITソリューションズ(以下、キヤノンITS)は2026年5月18日、経済産業省および内閣官房国家サイバー統括室が運用開始を予定している「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」(SCS評価制度)に関する実態調査結果を発表した。
調査は、発注企業側として従業員1000人以上の企業に所属する担当者109人、サプライヤー企業側として製造業や物流業に属する従業員300〜1000人規模の企業に所属する担当者111人を対象に実施(2026年3月23〜24日)された。
「★4」の要求と取引先への配慮で板挟みに
調査によると、発注企業の84.4%が「取引先のセキュリティ対策状況を確認している」と回答した。一方で、「十分に把握できている」と回答した割合は16.5%にとどまった。
セキュリティ対策段階の評価(★)を取引条件に組み込む意向については71.6%が「ある」と回答した。そのうち52.6%が、取引先に「★4以上」を求める予定としている。
一方、★取得要請については、94.8%が「難しさを感じる」と回答した。
キヤノンITSは、取引先を含めたセキュリティ対応状況の把握が求められる一方で、実際の★取得要請においては「取引先との関係性への配慮」が課題になっていると分析している。
サプライヤー企業側では人材不足と予算制約が課題
サプライヤー企業側では、SCS評価制度の認知率が77.5%だった。制度を認知している企業のうち90.7%が「★3」または「★4」取得に向けた準備を開始していると回答した。
一方、課題としては「専門人材不足」が54.1%、「予算の制約」が44.1%だった。82.9%が「外部専門家やサービスの活用に前向き」と回答した。
キヤノンITSは「発注企業が想定する水準と、サプライヤー企業のリソース制約の間に隔たりがあり、段階的な運用や支援の設計が重要になる」と指摘した上で、「発注企業側では要請根拠や対象範囲・コミュニケーション設計の整備、サプライヤー企業側では現状把握と優先順位付けが課題になる」と結論付けている。
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