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夏休み企画「人気記事総合ランキング」

 5月22日にオープン以来、数百本を超えるオリジナル記事を提供してきた@ITですが、夏休みを前にして人気記事総合ランキングを調査してみました。

1位
 Windows 9x or Windows 2000 ?
2位
 実験:ネットワーク管理者のためのNapster入門
3位
 IE 5.5のインストール用コンポーネントのダウンロードだけを行う方法
4位
 リモートからWindowsデスクトップを制御する方法
5位
 Linux:ブームを超えて 「とりあえず入れてみなきゃ始まらない」
6位
 CrusoeはノートPCに革新をもたらすのか?
7位
 不正アクセスを防止する通信技術(前編)
8位
 とにかくJavaをはじめてみよう!
9位
 現実のXML文書を見る
10位
 原因不明のメモリ不足エラーに対処する方法
次点
 Javaに未練を見せないマイクロソフトの開発者たち

 さて今回は、上記のランキングをもとに、@IT各フォーラムの担当者で(Web上での)バーチャル座談会を開いて、感想やふだん気にしていたことなど、いろいろ話し合ってみました。


Windows 2000 Insiderフォーラムが圧勝

新野(編集局長兼 XML eXpert eXchange、Linux Square担当) さすがに上位4位までを人気フォーラムのWindows 2000 Insiderが独占しましたね。特にTIPS系のネタが人気を集めているのが特徴ですね。

小川(Windows 2000 Insider担当) うーんと、1位になった「Windows 9x or Windows 2000 ?」ですが、OSの内部解説というかなり渋い内容にもかかわらず、これが1位とは少々驚きました。@ITの読者レベルがよく分かる結果といえるでしょうか?

 ところでこの記事、まだ「概要編」が公開されているだけなんですよね。ただいま「タスク 管理編」を作成中です、9xと2000の違いの中で、ユーザビリティに最も大きく影響する部分はここだと思います。もう少しで仕上がります、ご期待ください。

いま、IT業界でもっともホットなトピックの1つ「Napster」。著作権の問題だけの枠組みを越えて、インターネット時代に向けてビジネスを根底から変える可能性を秘めたソフトウェアとしても注目を集めている。画面はNapster社のWebサイト

新野 2位の「実験:ネットワーク管理者のためのNapster入門」は、ちょうど米国で裁判があったりしてタイムリーな話題でしたね。

小川 編集部では「禁断の果実」(笑)と言われた企画でしたが、やはり注目度は高かったようですね。このNapster関連の情報については、米国などではかなり詳細な逆解析解説などもあって、互換ソフトウェアも多数出回っています。てっきりパソコン雑誌各社も大々的に記事をやるのかと思いましたが、予想に反して、雑誌では目立った動きはなかったようです。

 米国では、Napsterの著作権侵害が裁判所で争われていますが、ここでどのような結果が出るにせよ、地下に潜りやすいソフトウェアですから、問題の抜本的な解決は難しいで しょう。結局のところ著作権の保護は、ユーザー一人一人の意識に頼るしかないのかもしれません。

 なおネットワーク管理者にとっては、中央のサーバが不要なgnutellaのほうが面倒な存在になるでしょう。Napsterに続く第二弾として、gnutella編も現在作成中です。お楽しみに。

鈴木(Master of Network、IT Business Review担当) 参照サイトを見ていると、サーチワードで「Napster」として検索サイトからこの記事に跳んできた人も多かったみたいですね。新聞やTVにも登場するような、メジャーな話題になった気がします。

小川 Windows 2000 TIPSは、インフォシークでWindows 2000 Insiderを開始したときからの企画で、それだけ読者に浸透していたということだと思います(注:@IT開設以前、Windows 2000 Insiderはインフォシークにあった)。

鈴木 よく見てみると、TIPSだけで3本ランクインしていますね。Windows 2000 Insiderの読者数の多さがよくわかります。

小川 またマイクロソフトさんのWindows 2000のホームページからリンクをしていただいているのも大きく影響しているものと思います。

新野 外からのリンクでいうと、日本XMLユーザーグループのホームページからもリンクをしていただいて、ここから飛んでくる読者も手堅くXML eXpert eXchangeの読者になっていますね。やはり著名なサイトからのリンクというのはとても大事だと感じることが多かったです。


想定していた読者像とは、かけ離れていた?

小林(PC Insider担当) では、PC Insiderについて。

 6位の「CrusoeはノートPCに革新をもたらすのか?」は予想どおりの結果です。読者がCrusoeに期待していることの表れでしょうか。特集「最適ネットワーク機器選択術」と実験「Ultra DMA/66の性能を徹底検証」が苦労しただけに、ランキングに入らなかったのが残念です。PC Insiderについては、まだまだ手探り状態なので、もっと幅広い話題を提供できるようにしていくつもりです。

トランスメタが開発したx86互換CPUの「Crusoe」。ノートPCやPDAといったモバイルデバイスにターゲットを絞り、低消費電力な点が特徴である。トランスメタ社には、あのLinux開発の中心人物Linus Torvaldsも在籍している。

新野  この記事(特集「最適ネットワーク機器選択術」と実験「Ultra DMA/66の性能を徹底検証」)は大作でしたからね。Webで読んでもらうには、大作記事すぎても難しい、ということもありますね。

小林  それにしても、Windows 2000 Insiderは強すぎます。次回は、PC Insiderがもっと上位を取れるようにしないといけませんね。

新野 いやまったく。今回は残念ながらIT Business Reviewフォーラムからのランクインがありませんでした。でもIT Business Reviewでは、ちょうど連載コラムが始まったばかりなのでこれからの人気が期待されて楽しみです。

鈴木 IT Buisness Reviewフォーラムの編集担当としては、ちょっと残念な結果です。でも、連載コラムのスタートや強力なリンク集など、新野の言うようにこれからが楽しみなフォーラムでもあります。ランキングの感想、島田さんはいかがでしょうか?

島田(PC Insider担当) 想定していた読者像とはかけはなれていたんだな、というのが感想です。いやもちろん、記事のできやタイミング(予定より1ヶ月半も特集は遅れましたから)の問題も大きいのですが。今度はSANとかエンタープライズサーバを扱えばいいのかな?

鈴木 でも、CrusoeやPentium関連の記事の人気が高いのを見ていると、純粋にPC自体のテクノロジーに興味をもっている人も多いですよね。

島田 確かにそうですね。プロセッサ関係のテクノロジーネタは、自作をしないかぎり、知識として得ても、ほとんど実際の役に立たないことが多い(動向は役に立っても)ので、この辺は趣味的なんですよね。

 当初想定していた読者は、システム管理者やっているけどPCマニアな人、ということだったんですが(ここが多いと思っていた)、はずれているような当たっているような……

鈴木 もちろん、SANやサーバテクノロジーといった企業システムのためのITテクノロジーを押さえるのが前提ですが(こちらがメインですし)、ITを生業としている読者が興味をもつホットなトピックも追いかけるとよさそうですね。“読者が興味のある”モノということで。結局、純粋に好きなんですよね、この手の話題が(笑)

島田 つまり、「自分には関係ないけど、興味がある」ネタということですね。例えば、いま現在では、おそらくSANにいますぐかかわるユーザーは、ほとんどいないかもしれません。となると、いままで実験やノウハウ系を重視していた(ソリューション系は間に合っていない)けど、(より高度で難しい)技術解説をメインにしたほうがいいかもしれませんね。Networkの不正利用記事もヒキがありましたし。

新野 これはJavaやXMLにもある程度通じているかもしれないですね。現実にいますぐ仕事でJavaをプログラミングしたり、XMLでデータを記述しなければならない人は、まだまだそんなに多くないと思います。でも、IT業界の人はこうした技術には敏感に反応するところはあります。そうしたニーズには応えていきたいですね。

 一方で、現実のソリューションとしてのシステム構築記事や事例はまだ@ITのコンテンツとしては少ないですね。9月までには事例紹介などが掲載される予定なので、そうした記事の人気がどれくらいあるのか、楽しみです。

小川 これだけ大量の情報が錯綜すると同時に、あらゆるものがダイナミックに動くようになると、それが自分と無関係であるかどうかを知るために、最低限の調査が必要になるといったところじゃないでしょうか? 「好きで興味があるから知りたい」という記事と、「知っておかないと遅れをとるかも」という記事があるような気がします。


他のフォーラムの人気記事は?

新野  5位にランクインしたLinuxのインストール記事「Linux:ブームを超えて 「とりあえず入れてみなきゃ始まらない」は定番人気でしょうか。この記事は、ほかの記事よりも長くトップページに表示されていた、という事情もありましたけれど。

Linuxのインストール記事でも登場した Turbo Linuxのディストリビューション。

鈴木  意外だったのが、Master of Networkに掲載した、「不正アクセスを防止する通信技術(前編)」というSSLの記事。ライターの福永さんの連載です。資料を集めて調べるだけで1ヶ月近くを要した力作ですが(締め切りオーバーで、掲載時期ものびのびになってしましましが……)、はっきりいって内容はとてもテクニカルで難しいです。初心者の方にもわかるように、前編、後編と分けていますが、それでも一般受けするとは思っていなかったのですけど。技術的な価値はものすごく高いです。

 セキュリティがらみということで、みなさんの興味も高かったのですかね? 近日登場予定の後編の評価が楽しみです。

新野 XMLは「これから勉強します」という読者が多いようで、「現実のXML文書を見る」はXMLの連載入門記事ですから、第9位と、これに人気があるのは妥当な線かもしれないですね。@ITオープン当初はXMLの記事を読んでくれる人はいったいどれくらいいるのだろう、と心配する部分がありましたが、マイクロソフトが.NETでXMLに力を入れていたりして、まさにブーム到来という感じ。XMLは重要になる、という読みが当たって個人的にも嬉しいです。

鈴木 Java関連では、@ITで最初のJava入門記事となった「とにかくJavaをはじめてみよう!」の人気が高いですね。掲載期間は1週間と、Top10の記事の中では最短の掲載期間なのに、ここに入っているのはスゴイ。たぶん、まだまだ票を伸ばしていくと思います。

 オープン時からJavaの連載を開始するプランはあったのですが、なかなか手をつけられなくて……。@ITトップやフォーラムトップにある「キーワード」のJavaのクリック率が異常に高くて、新野と「まだJavaの記事が入ってないのに、どうしよう」と言っていました。今回は入門記事ですが、次からはEJBや実際のデータベースアプリケーションの構築の話題を扱った連載も開始する予定です。

 次点ながら、ニュース記事で上位に上がってきた、「Javaに未練を見せないマイクロソフトの開発者たち」もすごいですね。C#が発表された直後で、開発者にとっても興味があったのでしょう。いろいろなサイトがこの記事に注目してリンクを張っていただいたのも影響したようです。

 あといま@ITで人気のあるキーワードは「Java」「光モノ(笑)」ですかね。

新野 光モノといっても、某ベンチャー会社のことじゃないぞ。ニュースなのにある時期驚異的な人気を示した「米NECが光速度を超越する光パルスの伝播に成功」の記事のことだね。 ランク外でしたが、IT関連ではないのにこれも人気記事。科学ものも好きな人が多いですね。


Webのログ解析で毎日の人気ランキングがわかる

新野 Webのいいところは、毎日毎日、人気記事のランキングがログからずばり分かるところですよね。これって編集担当としては自分の担当記事の評価がすぐに数字になるから「大変」と思うと同時に、個人的には「面白いなあ」と思うのですが、みなさん気にしてます? 毎日のランキング。
(注:毎日のランキングは、もちろん社内でしか見ることができません)。

小林 あんまりログに振り回されてもいけない、と思いつつもやっぱり気になりますね。記事を出さないとすぐにアクセスが落ちるし、それなりにタイムリーな記事だとアクセスが上がるといった具合に、ある程度リアルタイムで状況が分かってしまうので、励みにもなりますけど、やっぱり怖いです。

 昨日のログを見ても、ここ数日PC Insiderは記事の更新がなかったので、アクセス数が落ちているし……

鈴木 Webのログってかなりシビアですよね。雑誌のアンケートハガキで返ってくる記事評価って、記事制作からリターンがあるまでの期間が2〜3ヶ月ほどと長いうえに、比較的こういったことにアクティブな読者ということで、あてになる部分とならない部分が半々といった感じでしたし。

 ログを見ていると、読者がどれくらい時間をかけて記事を読んでいるのか? ちゃんと最後まで記事を読んでいるのか? どこのリンクから@ITのサイトを参照しているのか? といった細かい部分もある程度分かりますからね。さらに読者からの意見を投稿するフォームがあれば、@ITスタッフをはじめ、コンテンツの執筆陣にもいろいろ参考になる部分があると思います。

新野 この約3ヶ月、アクセスログや読者からのメールなどのフィードバックによって我々もどんどん勉強して進化してきているといっていいでしょう。これからも、あくまでも@ITらしい質の高い記事を提供する中で、同時にどうやってたくさんの記事をお届けするか、というところに課題をおきたいですね。

 お盆休みでしっかり休んで、また休み明けから頑張って読者に支持される記事を届けていきましょう!