米NECが光速度を超越する光パルスの伝播に成功
2000/7/22
NEC北米研究所は7月19日、真空中での光速度を超越する光パルスの伝播実験に成功したと報告した。ただしこれは、アインシュタインの相対性理論による「真空中の光速度を超えて移動することはできない」という内容を否定するものではないという。
同研究所の実験では、セシウムガスを充填した空間を用意し、その中で光パルスが6センチ進む時間を計測した。通常はこの距離を進むのに0.2ナノ秒(1ナノ秒は10億分の1秒)かかるはずだが、この実験ではそれよりも62ナノ秒早く光が到着したという。これは、「異常分散」という手法で生成された光パルスは、光速を超え、場合によってはマイナスの速度を持つことがあるためで、それが確かめられたことになる。
この実験は将来、ネットワーク上やコンピュータ内での情報伝達の速度を飛躍的に向上させる可能性があるという。
この研究成果は7月20日付けの科学雑誌「ネイチャー」でも発表された。
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NEC発表のプレスリリース
NEC発表のプレスリリース(英文)
ネイチャーの記事「Gain-assisted
superluminal light propagation」
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