爆発的に大きくなるデータに対処する
2011/6/24
SQL Server技術者向けに定例セミナー
マイクロソフトはエンジニア向けに「Get The Factセミナー」をほぼ月例で開催しています。5月11日のテーマは「SQL Serverのバランスドシステムについて Dr.熊澤が20数年におよぶ経験から得たノウハウを公開」でした。もちろん講師は“Dr.K”こと日本マイクロソフト技術顧問の熊澤幸生氏です。
バランスドシステムとは、@ITの「真・Dr. K's SQL Serverチューニング研修」などで語られているように、SQL Serverの動作に合わせて構成したハードウェアを指します。
セミナーではベンチマークの結果を詳しく示しながら、SQL Serverでシステムを構築する際のハードウェアの選び方や考慮すべきポイントを解説していました。当然ながらSQL Serverを想定した解説でしたが、ほかのデータベースにも応用できそうな、プロセッサ、メモリ、ストレージサブシステムについて抜粋します。
計算、予測してハードウェア構成を決めていく
まずはプロセッサ。主流はx64アーキテクチャで、NUMA対応CPUで4ソケット以上を推奨とのこと。CPU占有率の監視より、コア数不足の監視が重要だそうです。
次にメモリサイズ。かつてはメモリが最も重要な要素となりがちでしたが、SQL Server 2008 Enterpriseでは8Tbytesのメモリ空間を利用できるようになり、事情が変わってきました。必要な物理メモリサイズを見積もるなら、NUMAアーキテクチャならNUMAノード当たり8〜16Gbytes、SMPアーキテクチャならCPUコア当たり4Gbytesをスタートラインに、OLTPならユーザーDB容量の10%を目安にするのがよいそうです。
そしてストレージ。パフォーマンスのボトルネックとなりがちな要素であり、CPUやメモリに比べて取り換えが容易ではないので、慎重に選定しなければなりません。トランザクションログにはI/Oアクセスの早いもの、トランザクション処理なら複数の高速回転ハードディスクドライブ、DWHなら大容量で中程度の回転速度のハードディスクドライブというように用途に合わせた選定が重要です。処理の性質を考えれば納得ですね。
余談ですがSQL Serverはソケット(物理プロセッサ)単位で課金するため、ユーザーの立場からすればSQL Serverにマルチコアはお得かもしれません。近年サーバCPUのマルチコア化が進んでいるので、マイクロソフトとしては苦笑いかもしれませんね。
なおマイクロソフトは技術文書の配布にも力を入れています。従来のようにWebサイトからPDFをダウンロード提供するだけではなく、最近ではeBookストアからSQL Serverの資料をePub電子書籍として提供するようになり、iPad/iPhoneやSONY Readerでも読めるようになりました。技術系文書がiTunesのライブラリに並ぶなんて、なんか驚きです。
ではまた来月、お会いしましょう。過去記事もどうぞ!
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Index | |
爆発的に大きくなるデータに対処する | |
Page 1 大規模データを処理するIBM BigInsightsとStreams データを精密に分析して発電量を最適化 |
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