Tech・Ed Japanは延期になりましたが……
2011/9/13
実際に触るのが一番! DB2ハンズオン勉強会
コミュニティの話をもう少し。Tech Partyと同じ日、技術者コミュニティTechnical Skill Professional Community(TSPC)の主催でClub DB2「DB2に触れてみよう!」が開催されました。久々のハンズオン勉強会だったので、あっという間に定員が埋まってしまうほどの人気でした。
勉強会ではTSPCの椰さんが作成してくれたテキストを見ながら、各自が与えられた課題に取り組んでいました。会場ではClub DB2ではおなじみの苧阪浩輔氏(写真)が技術的なサポートをしてくれていました。
Hadoopの仕組みを利用して性能を引き上げるGreenplum
次はGreenplum Databaseです。覚えておいででしょうか。本連載の2008年12月号にてPostgreSQL事例セミナーのレポートをお届けしました。そこで、サン・マイクロシステムズ(当時)によるデータウェアハウス(DWH)アプライアンス「Sun DWアプライアンス」を紹介しました。このアプライアンスのデータベース管理システムとして動作していたのがGreenplum Databaseです。あれから2年以上経ち、いろいろなことが起こりました。Greenplum Databaseも同様です。
Greenplum DatabaseはPostgreSQLを基に、DWH向けに改造したソフトウェアです。オープンソースの人脈でつながったメンバーが日本法人となるGreenplum Japanを立ち上げたのですが、その2週間後にEMCがGreenplum本社を買収というニュースが流れました。2010年7月のことでした。IT業界、何が起こるか分かりません。
経緯はさておき、Greenplum DatabaseはいまやDWH向けデータベース管理システムとしてはかなり大きな存在になっています。8月9日、EMCはGreenplum製品群に関する記者説明会を開き、同社のデータ・コンピューティング事業本部 テクノロジー&プロフェッショナルサービス部 テクニカル・コンサルタントの中村完氏(写真)がGreenplum Databaseの技術を解説しました。
Greenplum Databaseは、ネットワークでつながった多数のサーバで並列処理(スケールアウト)をすることで、処理性能を向上させます。この構成では、データを読み込むときにマスタサーバがボトルネックになりがちです。そこで、Greenplum Databaseではデータの読み込みもセグメントサーバで分散処理し、ボトルネックを作らない並列処理を実現しているのです。
製品としてはコモディティハードウェアと組み合わせるパッケージソフトウェアと、アプライアンスとなるGreenplum Data Computing Appliance(DCA)が選べるようになっています。
さらに今回は、非構造化データの分析を高速化させる「Greenplum HD」も登場しました。この「HD」とはHadoop Distributionのことです。あのApache Hadoopの仕組みを利用して分散処理の性能を極限まで引き上げようという狙いです。
Greenplum HDは、Apache Hadoopをほぼ完全に書き直したことにより、オリジナルのApache Hadoopに比べて処理性能が2〜5倍向上したとのこと。Greenplum HDもGreenplum Database同様、パッケージソフトウェアとアプライアンスを提供するそうです。国内での提供開始は2011年末ごろの見込み。
データベース業界のスーパースターが集うイベント
今回はイベントの話が盛りだくさんでしたが、来月もいろいろとありそうです。なかでもインサイトテクノロジー主催の「INSIGHT OUT 2011 - DB Tech Showcase」(10月19日(水)〜21日(金))には注目です。オラクルのTom Kyte氏やマイクロソフトの熊澤幸生氏など、データベース業界のスーパースターが勢揃いといった感じです。扱う話題も、商用からオープンソースまで幅広いです。
毎年恒例のNeoCoreサミット2011(10月28日(金))も日程が決まりました。あらためてXMLデータベースについて学んでみたい方に、強くお勧めしたいイベントです。
ではまた来月、お会いしましょう。過去記事もどうぞ!
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Page 1 2012年、SQL Serverは新世代へ SQL Server関連のコミュニティが続々始動 |
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